「ちょっと昔を振り返りながら俳句を楽しんでみませんか?」 と問いかけながら、講師:綿抜豊昭氏(注)の講座が始まった。
思い出し俳句とは…
今回の一番の目的は、「上手に詠むことではなく、昔こんなことがあったなぁ、と振り返って楽しみながら俳句を詠むこと。悲しいことは心の中においておき、楽しいことだけを頭と体で思い出してほしい。」
ほとんどの人が初めての経験であったが、「上手に詠むことではなく、」との言葉に、少しホッとした雰囲気になった。
身近にある絵本・絵画などを見ながらだと、より五七五や季語も浮かびやすく初心者にも気楽につくることができる。
俳句は外に出て季節を感じながら詠むだけではなく、思い出の写真を見ながらでも考えることができるので、高齢者でも取り組める。そして作った句を声に出して詠むことで脳に良い影響を与える。
回想法で脳トレーニング
昔の楽しかったことを思い出すことで心が大きく動き、それが脳を刺激して活性化される。それにつれて体の健康の一因ともなりうる。いま回想法は色々な分野でも取り入れられている。
俳句作りと講評
制限時間40分で3、4句作った人もいたが、そのうちの1句のみ提出し評して貰った。
あまり時間が無かったので、一人ひとりの評はなかった。
季題は「昔を思い出して」であったが、何故か思い出しには母親が多く、父親の思い出し句は1句のみだった。
図書館企画の良さ
図書館には自分が育った地域の歴史の本や地図が沢山ある。その本を借りることもでき、あらゆるジャンルの本を使える。記憶が薄れたなか、本を利用することで楽しかったことを思い出し、俳句が作りやすくなる。
注:筑波大学図書館情報メディア系/知的コミュニティ基盤研究センター教授
URL:http://www.kc.tsukuba.ac.jp/intro.html
講師補助:溝上智惠子教授
講師補助:呑海沙織教授
記録係:筑波大学 学生3名
参考資料
『川崎市の昭和史-子らに語りつぐふるさとの歴史 写真集-』
『かわさきのあゆみ-写真でみる明治・大正・昭和-』
■宮前図書館の取り組み:http://www.city.kawasaki.jp/350/page/0000078742.html
■超高齢社会と図書館研究会:http://www.slis.tsukuba.ac.jp/~donkai.saori.fw/a-lib/講座内容に関する本
参加者が詠まれた俳句
講師と参考書籍
俳句の「季語」すら良く分かっていませんでした。昔の楽しいことを思い出して作ってみて、と言われたのですがこの講座の少し前に母を亡くしたばかりで、やっと1句出来たのが、字余りで悪い例として評価を貰ってしまいました。
一人ひとりが作った句を声に出して詠むことが出来たら尚よかった。
楽しいことを頭で考え巡らすことはまさしく脳トレーニング!
色々な年代の親子で、思い出のある物を持ち寄って句を考えるのも、コミュニケーションの一つとして良いのではと思う。