シニアリポーターの取材リポート リポーターが取材したイベント情報をご紹介!

おしゃれな子ども食堂

取材日 2017年07月25日(火)

子ども食堂開催の貼り紙(原則月1回の開催)
子ども食堂開催の貼り紙(原則月1回の開催)
ボランティアの協力があればこそ
ボランティアの協力があればこそ

 しばらく前に日本の子どもの6人に1人が貧困状態にあるというニュースが流れた。驚いた人は多いと思う。何かできることはないかと思案した人もいたことだろう。

 田部大輔さんは実際に行動をおこした一人だ。稲田堤駅の近くのカフェを使い、資金は寄付に頼るという少し変わった子ども食堂を立ち上げた。7月の開催日に取材させてもらった


おしゃれなカフェと子ども食堂

 開催場所は「食堂」のイメージとはほど遠いおしゃれなカフェ。ドアには「本日、子ども食堂のため16:30閉店」、そして「稲田堤@子ども食堂7月25日開催」貼り紙。中に入ると小学生らしき男の子がひとり早くも陣取っていた。

 実は主催者の田部氏はこのカフェのオーナー兼シェフ開催場所や調理設備無償提供している。それがこの子ども食堂の強みとも言えるのだが、話を聞くとそう単純ではなかった。カフェと子ども食堂を見た目も運営もきちんと分け、一方が他方を利用していると誤解されないよう細心の注意を払っていた。寄付金も積極的に集めているわけではなく、募金箱を置いたり、ホームページでお願いしているだけ。それでも協力してくれる人はいるそうだ。

難関はボランティア

 一番困っていることは何ですかという質問に、田部氏は「ボランティアさん」ときっぱり。6月はボランティアが集まらなくて中止せざるをえなかったとか。

 この日は女性2人がボランティアとして参加。どちらも働き盛りの年代で、ひとりは栄養士をしているとのこと。その方に動機を尋ねると「来たいから」という答え。そう、ボランティアの動機とは理屈よりも思いだ。シェフの指示に従って黙々と作業する様子が印象的だった。

親子での食事

 この日のメニューは肉じゃがとごま和え。参加者は4組の親子11人。帰宅前にここで母親や友達と合流した小学生、ご飯の支度をしなくて済むのが助かると言う若いお母さん、子ども食堂とは知らずに来店し、飛び入り参加となった母と子。参加の理由はさまざまだが、BGMが流れる中、会話しながらの食事はどのテーブルもなごやか。一番うれしいのは子どもの笑顔と言っていた通り、田部氏子どもを見る目がとてもうれしそうだった。

稲田堤@子ども食堂のホームページ
(参加予約、ボランティア問い合わせも受け付けている。)

野菜たっぷりメニュー、小・中学生は無料

野菜たっぷりメニュー、小・中学生は無料

片づいたテーブルでゆったりと

片づいたテーブルでゆったりと

おしゃべりしながら楽しく

おしゃべりしながら楽しく

川崎市多摩区菅
関谷祐美子
シニアリポーターの感想

 取材を通して分かったことは、今、子ども食堂を一番利用したいと思っているのは子育て中の親だということ、そして、子ども食堂に一番必要なのはボランティアの力だということ。地域の人が世代をこえて子ども食堂を支えることは、その地域が住みやすい人間味あふれる子育ての場になることにつながるはず。シニアの皆さん、できる部分で子ども食堂に協力しましょう!

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