シニアリポーターの取材リポート リポーターが取材したイベント情報をご紹介!

好きな絵でつながる趣味の教室の作品展

取材日 2012年09月18日(火)

会場入り口の案内
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鑑賞する人たち
鑑賞する人たち
 秋はアートの季節でもある。そんな中、ある趣味のグループの作品展を取材した。会場は、JR川崎駅隣、タワーリバークビル3階にある「グループ・サンレイ展」、期間は9月18日から23日までの6日間。今回で25回目になるという作品展だが、今年も大勢の人が来ていた。会場には、教室で描いた絵など約60点が展示されている。趣味の絵というと語弊があるが中々の力作ぞろいだ。中には、F80号の「海の彼方へ」やM60号「路地裏15:30」などの大作もある。 この作品展は趣味の教室の成果発表を目的に開いているとのこと。展示の中にはかわさき市美術展で最優秀賞を受賞した人や神奈川県美術展、ハマ展などで受賞した人の作品も少なくなく、かなりのレベルにあると窺えた。

この作品展は、川崎市民プラザの趣味の教室で学んでいる人たちが年に1回開いているものだ。教室は、昭和56年にスタートした。この作品展は63年から銀座の画廊で開いてきたが、平成19年に現在の場所に移したという。初回から欠かさず出展している人が多いと聞き興味を持った。そのうちの一人、城さんは、「初代の先生に厳しく指導されたことがエネルギーになって、今も続けている理由かな。怒鳴られたこともありましたよ」と懐かしむ。女性の中山さんは、「わたしは、元来絵が好きなんです。辞めたら楽しみがなくなってしまいます。それと教室が終わってから皆でお茶をする楽しみも長く続く理由かな」、また、市川さん、「私も絵が好きなのは勿論ですが、長く続けていると教室の仲間が兄妹のように思え、毎回、皆に会うのが楽しみなんです」と話してくれた。「好きこそものの上手なれ」という諺がピッタリの人たちだ。
教室には30歳代から90歳を超える人まで年齢層も幅広く、80歳以上の受講生も2割くらい学んでおり、お互いに切磋琢磨しているそうだ。年1回の教室の作品展の他、自主活動として宮前市民館などでも発表し、春や秋には近郊にスケッチ旅行にも出掛けている。また、普段教室が退けてから市民プラザの喫茶コーナーでお茶を飲みながら絵画技法の話をしているが、世間話は欠かせないとか。人とつながる機会が減り、様々な情報も減っていくシニア世代にとって、お茶の時間は大切な役割を担っていそうだ。教室の講師は、松波照慶さんという元大学講師の画家、現在、絵画専門誌「一枚の絵」のコンクール審査員などにも携わっている。ロイドメガネが似合う温厚誠実な先生で、親切に的確に指導してくれると人気も高い。帰りに会長の森田さんが「初歩の人でも始められるので入会は大歓迎です」と呼びかけていた。連絡先:川崎市民プラザ内「彩の会」☎044-888-3131
力作2点

力作2点

講師の講評を聞く(昨年)(皿井氏提供)

講師の講評を聞く(昨年)(皿井氏提供)

ある日の絵画教室

ある日の絵画教室

取材同伴者名:ー
中村逸
シニアリポーターの感想

 高齢化が一層深化し、様々な分野で様々な社会問題も派生してるが、高齢者自身にとってもどう対応していくかが、一人ひとりに突き付けられた課題だ。60歳で定年になれば、生涯にまだ11万時間が残っているという計算になり、第2、第3の人生の過ごし方やライフプランは、考えによっては色々なことに挑戦できる。そんな時、「昔取った杵柄」、「昔出会った思い」をもう一度と絵筆を取ったり、ラケットを振ったり、ウクレレを弾いたり、ダンスを踊ったりと多くの人が再挑戦している。その人たちのグループ活動にエールを送りたく、同じシニア世代の一人として取材したものである。