● 川崎市緑化センターは、市内唯一の都市緑化植物園である。毎月開催する緑の講習会が人気という。最寄のJR南武線宿河原駅で道を問うと、ニヶ領用水に沿って歩けば約8分。あの辺りはほとんど緑化センターという。川に沿う歩道は濃緑の木立に覆われ,年配夫婦の散策も溶け合う静かな風景だった。
●緑の講習会に当選!
4月24日、「ベランダ野菜の楽しみ方」に参加した。講師は元緑化センター所長で、現在は農業を営む各務諭さん。「ベランダでは、鉢やプランターなどで作り易い野菜(資1)を選ぶこと。北風を遮る冬は、案外暖かくて、ミニ白菜は露地より収穫が長い」という。 会場からの質問で「連作障害」があり、「心配ならば、土を半分入れ替えて土壌改良を行なえば良い」同様に「外国産の種」には「大手種苗会社は、育種を海外の自社農場で行なう為、原産国は外国」と答えた。30名の参加者は栽培の基本を熱心にメモしていた。
(資1)インゲン、ミニトマト、ナス、小松菜、ほうれん草、ネギ、ジャガイモ、カブ、ショウガ等
●実習
ビニールハウス内で、トマト苗を植え付けた。「夜露が付いた朝採りトマトはみずみずしく新鮮でおいしい。昼採りだと夜露が乾き、みずみずしさと新鮮さが無くなり、味はまったく違う」という。
最初は細く育てる為、肥料は少なめに。植えた苗は支柱を立て、麻ひもでゆるく結ぶ。脇芽は指で取る。土に触れ、人々の口や軍手が動き出した。ペットボトルで作った土入れが使い易いと好評で、やはり大人も土遊びがお好きらしい。
《栽培のコツ》
・あらかじめ用土にたっぷり水遣りし、土と水をなじませておく。
・鳥や虫除け、水分蒸発や保温などの為、種まきした土に不織布を掛ける。
・水遣りは表面が乾いたらたっぷりと。夏は早朝!次は夕方、冬は暖かい日中。
・追肥の目安は、葉の色が薄くなったり、弱ってきたら。
●緑化センター 今後の講習会
7月17日・苔玉の作り方、8月7日・花で創る押し花、9月11日・秋植え草花の育て方、10月16日・便利な結束方法、11月2日・小菊盆栽、11月9日・緑化まつり(先着20名で苔玉作りや鉢植え体験等)、11月20日・落葉樹の剪定、12月11日・春の七草の寄せ植え、1月29日・桜草の育て方、2月19日・バラの育て方を予定。園芸相談もOK。関心のある方は、締め切り日までに往復はがきで事前申し込みを。定員30名。詳細は緑化センターへ 044-911-2177。
苗と支柱はゆるく結んで(緑化センター提供写真)
出番待ちの軍手は必需品
正門も風格を帯びて
聴講と参加型の講習会は、あきることなく終了した。子供の頃から園芸好きの私だが、栽培のコツや北風の話は初耳で、栽培の基本を改めて納得した。お土産に頂いたトマト苗も旺盛に育ち、ベランダの朝採りが楽しみである。
記者 吉川 眞沙美