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あなたを襲う怖い病気「脳卒中」「感染症」

取材日 2013年11月17日(日)

会場風景

会場風景

健康相談も

健康相談も

溝口病院

溝口病院

 高齢者にとって身近で恐ろしい病気にどう対処するべきか、この健康講座も今年で9回目を迎えた。主催は帝京大学医学部附属溝口病院だ(2017年には高津駅近くに新病院棟が完成とのこと)2つの講演のほか当日は無料の健康相談・栄養相談も行われた。500人程の受講者は9割以上が高齢の女性であった。この関心の高さが女性の長寿を支えているのかもしれない、と思わされた。
脳卒中とその予防  講師 溝口病院 脳神経外科 山田昌興 教授
 厚生労働省の平成23年統計によると日本人の死因は1位・癌 2位・心疾患 3位・肺炎 4位・脳血管疾患 となっている。このうちの脳卒中は脳梗塞と脳出血がある。梗塞とは血管が詰まりその周囲の脳細胞が死んでしまうことで、再生は不能である。原因は食生活から来る高血圧・高脂血症、心臓からの血栓等で血管が詰まることによって引き起こされ、半身マヒや失語症・視野障害で苦しむことになる。痛みは無いが一刻も早い治療が命を救う。また高血圧や糖尿病・高脂血症が原因の動脈硬化や動脈瘤からの出血も、致命的な後遺症を引き起こす。動脈硬化は一度生じると改善しない。なにより予防が大事である。その予防として運動で肥満を避けること、血管を傷つけるタバコを止めること、塩分摂取を制限すること。酒は止める必要は無いが、1日でビールなら中瓶・日本酒なら1合の適量を守ること。そして寝る前にはコップ1杯の水が効果的だ。不運にも倒れた時、現在、溝口病院では24時間・365日受け入れると言う。                   
身近でこわい感染症「肺炎」
  講師 溝口病院 内科 吉田稔 教授
 
 平成23年統計で脳血管疾患を抜き死因3位となった肺炎、95%以上が65歳以上の高齢者だという。原因は肺炎球菌・インフルエンザ菌・マイコプラズマ等である。風邪の時期はもちろんだが、肺炎のリスクは一年中ある。うがい・マスク・手洗い・歯磨きはもちろん、誤嚥を防ぐことが大事である。また運動・食生活の見直しで、免疫力を高めることも予防となる。インフルエンザの予防接種も大事だが、65歳以上であれば、肺炎球菌ワクチンも受けたい。このワクチン接種、米・英では6割を超える接種率と言う。しかも効果は5年以上持続し、日本では2回目の接種も認可されたという。効果は高く、入院・死亡リスクを大きく下げることが出来る。インフルエンザと同時に受けても良いが、出来れば6日以上あければ痛みや倦怠感は少なくて済むという。高齢者は受けておくことが望ましいワクチンである。
高津市民館大ホール(ノクティ2 12階)
佐藤政孝
シニアリポーターの感想

 脳梗塞も動脈硬化も改善しないと聞き、病気の恐ろしさと、予防がいかに大事かを思い知らされた。また肺炎球菌ワクチンの有効性を聞けたことは収穫であった。