椎名誠さん
残したい自然資源
木こりの会のパネル
「2013年度 花と緑の交流会」が開かれた。主催は川崎市公園緑地協会。
市内で花壇作り、里山の保全、公園管理等を行っている1200団体が一堂に会して交流し、行政とともに緑豊かな町作りと自然的環境資源を次世代に継承していく場として年1回開催されている。講演者に冒険家、小説家などとして幅広いご活躍の椎名誠さんを迎え、福田市長をはじめ800人が参加して、大盛況であった。
活動報告
大会議室には37グループの活動パネルがぎっしり。炎天下での草むしりなどの苦労や野外労働の気持ちよさなどシニアの方の活躍の様子が分かる。市長も挨拶の後、熱心に見て帰られた。
団体の一つ森もりクラブはくじらの森(麻生区向原)の赤松を枯らすマツノ材線虫駆除に東京農大と取り組んでいる等、各グループの活躍は盛り沢山である。
交流会の最後には川崎市の「生物多様性かわさき戦略」の説明もあった。
椎名誠さんの話:木のない世界 花のない世界 多すぎる緑の世界
緑を育成するということは日本が恵まれているからだ。日本は水にストレスがない。3万5千の川は、梅雨、台風と天の恵みを受け、一年中涸れない。四方は海に囲まれ国境を接していないため水戦争もない。
日本人の知らない国の話。
アラスカのエスキモーとは生肉を食う人の意味である。近年、欧米人は蔑視語だとしてイヌイットと呼ぶが、彼らはエスキモーに誇りを持っている。
アザラシを解体するや、まず皮と肉の間にいる寄生虫を貪り、腸を吸う。
そこにTV,インターネットが持ち込まれ、文明国への憧れが生れ、それが叶わぬ青年が生活必需品の銃で自殺する事件が起きている。カナダ北緯78度の地点にスーパーが出来、狩猟民がメタボになった。
メコン流域のアカ族の少年少女は子供の時から仕事をし体力がある。風土病はあるが寄生虫のおかげでアトピー、花粉症はない。比べて日本の子供は弱い。
草原の国モンゴルの遊牧民は花を嫌う。家畜は花を食べないし,妊娠初期の羊がコバイケ草の花を食べるとひとつ目の仔が生れるという。
一方、恵まれすぎていることに気がつかない日本では、不必要な位の多機能のトイレや携帯電話の開発が行われている・・・緑が多すぎる世界とは文明国の比喩なのか?