
- 車いす各種

- スライディングボードで移乗
家庭でも施設でも介護者の腰痛は大きな問題だ。厚生労働省は「職場における腰痛予防対策指針」を策定して事業所への周知を図っている。川崎市委託事業「楽コーディネーショングループ」が第4回「楽街」(福祉啓発イベント)で腰痛予防をテーマとした講座を開いた。定員は30人、福祉・介護・行政・ものづくり企業・一般市民等、様々な立場の人達が集まった。
講師は中澤栄理さん。社会福祉法人慈生会特別養護老人ホーム「ベタニアホーム」のケアワーカー主任。最前線からの介護の内容は具体性に富み、創意・工夫のヒントが多々あった。
手すりの設置 つかまって自分の身体を引き上げるにはタテの手すり、立ちあがった身体を支えるにはヨコの手すりが役立つ。身体状況によっては、壁との間にスペースが無いと使いにくい。ベタニアホームでは
介護職員が主導して業者と打ち合わせを重ね、浴室の手すりを設置したという。使用する人の立場に立った創意・工夫が成果を生む。
車いすの選定 要介護者のレベルは様々。支障のある部位・程度により、あるいは
車いすでの過ごし方を考慮して選ぶ事が大事だと言う。また利用者の状態によっては
座面下部に1枚の板を入れ、座位姿勢の安定を図るなどのちょっとした工夫も大切だとのこと。
移乗のための用具 要介護者の安心・安定を確保しつつ、介護者の負担を減らす用具としてリフト・スライディングボードやフレックスボードがある。自立が困難な人の、
ベッドと車いす間の移乗時等に使用する。座面に挟み込み、
滑らせ移動させるのがスライディングボードだ。価格は2から3万円程度で大きさも各種ある。使用には慣れと技術を要するが、シンプルでも腰の負担軽減に威力を発揮する用具である。また
寝た姿勢のままの要介護者を移すために使うのがフレックスボードだ。硬めの平らな芯をサラサラの布でカバーしたもので、身体の下に敷き、移動に連動してカバーがずれ、車いすとの移乗をスムーズにしてくれる。巧みな移乗実演に参加者から感嘆の声が上がった。価格は46,224円(税込)技術を覚えれば
介護人の負担を軽減、同時に要介護者の床ずれ予防や自立支援も促す。いずれも介護保険の適用の場合、レンタル料1割負担となる。リフトの実演もあり、施設でも家庭でも普及が望まれる用具の数々だった。
問合せ先 楽コーディネーショングループ 044-589-7708
用具提供 アビリティーズ・ケアネット(株)川崎営業所044-329-1565
(株)ヤマシタコーポレーション川崎営業所044-777-5995