シニアリポーターの取材リポート リポーターが取材したイベント情報をご紹介!

シニアは、体だけでなく脳も定期的に健康チェックをしよう!

取材日 2016年01月28日(木)

スタッフと相談者

スタッフと相談者

待合スペース

待合スペース

タッチパネル式テスト

タッチパネル式テスト

 昨秋、多摩区中野島老人福祉センターで行われた「認知症予防」のセミナーに参加した。その時、日本医科大学 武蔵小杉キャンパスの「街ぐるみ認知症相談センター」で脳の定期チェックができることを知り、友人と二人で訪ねた。

二人の症状
私は73歳。話をしている時に肝心な名前が出てこない時がたびたびある。
友人は81歳。去年9月に家を2世帯住宅に建て替えたばかり。最近、新しい部屋で始終探し物をしている状態を強く心配している。

街ぐるみ認知症相談センター
 日医大は平成19年~23年の間、文部科学省から補助金を受け、同センターを開設し、認知症の研究をしてきた。補助金の終了後は大学の事業として行っている。JR武蔵小杉駅北口から徒歩5分。大学病院とは別棟の親しみ易い低層の建物で、相談室は日当たりの良い一室。二つの相談デスクと待合スペースの仕切りは黄緑色のつい立てだけなので、相談者の声が聞こえる。「みんな同じなんだな」と、かえって緊張感がなくなる。奥にドア付きのコンサルティングルームもある。

以下の同意書にサインして、相談に入る

1 センターの目的:認知症の早期発見と本人および家族の方の様々な問題を解決するために援助をする。
2 相談者の姓名、年齢、性別、住所、生活歴、生活状況を聞き取り記録する。 
臨床心理士による神経心理検査を行う。
聞き取りの内容や検査の結果、認知症の疑いのある方は、かかりつけ医に紹介する。
希望があれば臨床心理士によるカウンセリングを行う。
3 副作用、危険性などはない。4 個人情報の守秘。5 経済的負担はない。
6 検査中止はいつでもOK。7 情報は研究に使用されることがある。

相談の流れ
1 簡単な問診を行う。お薬手帳は、生活状況を知る手掛かりとなるので、持参するとよい。
2 タッチパネル方式のテストで、加齢による物忘れか、認知症を疑う物忘れかを判断する。
○    今聞いたことを覚えているか? 
○    日時の確認・・・アルツハイマー型認知症では日時が分らなくなる場合がある。 
○    さっき聞いたことを覚えているか?
○    数種の図形の認識 などである。
3 テストの結果、心配ない場合は半年後の再来の案内があり、終了する。
もう少し詳しく面談する場合は、本人と家族は別々に話を聞く。
4 3の面談の結果を手紙にし、それを持って、かかりつけ医を受診してもらう。

約1時間半の間、相談者は我々を含めて5人。
センターでは「認知症は症状が緩やかに進行するので、定期的な検査が望ましい。治療薬の研究も進歩しており、早期発見が大切。利用は無料で、どこの住民であっても、予約なしでOK(予約も可),月曜日から金曜日まで(休館日は土・日・祝日)、午前9時~午後4時まで、いつでも気軽に相談にいらして下さい」ということだった。

街ぐるみ認知症相談センター 連絡先 電話 044-733-2007
211-8533 川崎市中原区小杉町1-396 日本医科大学 武蔵小杉キャンパス南館1階 





日本医科大学 街ぐるみ認知症相談センター
勝野井 央子
シニアリポーターの感想

 とても明るい印象の相談センターだった。
年とともに衰える体と脳。仕方がないが、病いの発見は早期にこしたことはない。
そのためにも定期チェックは必要だと思った。