◆風邪の歴史
紀元前5世紀、ギリシャのヒポクラテスの著書に風邪の記載もあるが、長い間、原因不明だった。しかし1933年、風邪の原因菌がウィルスと判った。83年前の大発見である。
◆ 風邪とは、鼻から喉の急性感染症で、気管や気管支まで拡大することが多い。
風邪の9割はウィルスで感染し、普通風邪とインフルエンザに大別される。「風邪は万病のもと」。肺炎やまれに大動脈瘤の破裂とあなどれない病気と話が続く。
◆なぜインフルエンザは毎年流行するのか
インフルエンザウィルスの怖さは、毎年姿を変えて流行すること。さらに数十年に一度、新型インフルエンザが誕生し、全世界に猛威をふるってきた。
(例)1920年のスペイン風邪は4,000~5,000万人の死者を出した。
〇抗インフルエンザウィルス薬の使い分け
薬の効力は、病状を16時間前後だけ短縮する。免疫力を下げる可能性もあり、元気な人には不要。但し、ハイリスク患者(持病のある人、65才以上、妊婦)は必要と先生は話す。
◆風邪の予防法
・インフルエンザワクチンは有効。罹患しても重症化を防げる。
・うがいの消毒薬は傷害性もあり、喉の細胞にダメージを与える。水で長めのうがいが良い。
◆風邪の対処法
ウィルスには抗生物質も効かないため、風邪の特効薬がない。自分の免疫力がウイルスを排除するのを待つしかない。
⇒基本的には薬局の市販薬で対応可能。
大事なことは、風邪をひいたら暖かくして安静にが大前提。
●但し、次のような症状は即病院へ
・38度以上の高熱
・水も呑み込めない辛い喉の痛み
・症状が1週間以上続く⇒細菌感染の可能性
・下を向くとひどい頭痛⇒副鼻腔炎が疑われるので耳鼻科へ
資料
「かわさき健康塾」 2012年6月から、医療知識を提供する目的で、毎月無料講座を開催している。併せて企業・町内会・各種団体などへ出張講演も無料で実施中。
詳細は、川崎幸病院広報室044-542-7007 http://saiwaihp.jp/
会場へのアクセス JR川崎駅西口 徒歩8分
※川崎駅西口からの無料シャトルバスも運行
参考資料
家庭の医学 成美堂出版
おしえて!インフルエンザのひみつ ポプラ社
開場直後の会場。10分後にはほぼ満席
かわさき健康塾のマスコット「フクスケ君」
講義中の画像
風邪の特効薬は無いが印象に残った。
他に、「医学部では風邪の講座がほとんどなかった」やうがいの話に驚いた。うがい薬の常用者には、身近な常識を修正できた。
吉川眞沙美