2020年の東京オリンピックに向け川崎市が横浜市、慶應義塾大学とともに英国のトレーニングキャンプ地に選ばれている。「英国オリンピック委員会CEO」のビル・スウィーニー氏による講演会が行われた。国際色豊かな人々で会場は埋まった。講演は「ロンドン2012大会の経験を踏まえたリオ2016大会での英国オリンピック代表チーム(Team GB)の成功」について。
5年前から調査
講師のビル氏は大手スポーツ用品メーカーのビジネス開発グローバル責任者等を経て、3度の夏季・冬季五輪を経験。リオ大会では「チーム GB」をメダル獲得数世界第2位に導いた。
この辣腕を発揮する指導者に川崎市も選ばれた。キャンプ地探しは5年前から調査していたという。選手が最高のコンディションを創り出すための地。東京に近い。気候が似ている、優良施設で環境が良く、それらが近くに集中している場所。
慶應義塾大学にはマルチスポーツの環境がある。そこをハブとして横浜国際プール・等々力陸上競技場などにアクセスが良い。
オリンピックを開催する、あるいは参加する意義
冒頭に福田市長の挨拶があった。「ビル氏は川崎にとって大切なパートナー」と語った。
ビル氏の提案やアドバイスは街の育成に貴重な財産となる。「オリンピックはともすると、開催地で反対運動がおきるが、結果は国民が素晴らしい数々の遺産を得ることになる」とビル氏は説く。「レガシー(遺産)」という語を力説した。思えば「東京五輪」の遺産は数多い。経済の高度成長や今に残る感動やカルチャーなど。時代は変わっても必ずレガシーがあるという。
川崎市に、およそ300名の英国オリンピック代表チームがやって来る。知名度の低い川崎市を世界につなげたい。「川崎市には国際交流センターがあります。お茶を点てます」と会場から婦人の呼びかけがあった。
市はホストタウンとして、さまざまな機会をとらえて英国代表チームを応援していく。
参考
□2019年ラグビーのワールドカップ 2020年東京オリンピック・パラリンピック。ラグビー強国のイギリス人は日本に行くならどっちにしようかと思案中とか。
□講演は同時通訳で行われた。同時に音声認識アプリケーションで翻訳が投影された。
□「GB」とはグレートブリテンのこと。英国ホストタウンとして「GO GB」がんばれ英国が合言葉。
□ イベントやボランティアに関する情報は、ウェヴサイトや市政だよりで随時発信。
この日の講演テーマ
同時通訳のブース
福田市長の挨拶
東京五輪のレガシーについて
翻訳の同時投影
会場は国際色に
オリンピック・パラリンピックの英国代表チームが、川崎を事前トレーニングの地に選んだ。東京と横浜に挟まれた川崎は国内的にも知らない人が多いかもしれない。川崎にとってこの機会がどんなチャンスになるのだろうか。関係者の気苦労は計り知れないが、期待と楽しみが膨らむ。