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ひざが痛いの?それロコモの始まりじゃない!

取材日 2012年02月20日(月)

 生きていく上で悩みは数限りなくある。なかでも大きな悩みは人間関係、お金、健康と言われる。確かに人間関係のもつれは悩ましいものだ。お金はシニアにとっては、特に,年金はどうなるのか、いつまで生きられ、幾ら貯えは必要なのか、など心配は絶えない。しかしながら一番大きな心配事は健康であろう。人にお世話にならずピンピンコロリが多くのシニアの願いだからだ。

 健康面で悩ましいことの一つはロコモによるひざ痛だ。ひざ痛に悩む人は、自覚症状のある人で約1000万人。60歳以上の女性の4割以上の方がひざ痛に悩まされている。ひざ痛はシニア女性の大敵だ。

 220日(月)1時30分から3時まで宮前老人福祉センターで「膝の痛み改善講座」が開かれた。当センターは田園都市線宮崎台駅南口徒歩1分の至近距離にある。交通の便が良いせいか月平均3800人程度の利用者がある。市内でも屈指の人気センターだ。

 講師は当センターの嘱託医里村俊彰先生(里村整形外科院長)。参加者は30人程度。男性数名。女性が大半であった。

 講座は2部構成で行われた。前半はロコモティブシンドローム(通称ロコモ)やひざ痛の原因、対処法のビデオ。後半は参加者によるひざの悩み、改善のための方法などの質問タイム。活発に質疑が行われた。

 以下に講座の要点を紹介する。

ロコモとは

 運動器症候群のこと。運動器の障害により「要介護」になるリスクの高い状態。運動器とは体を支え動かす役割をする器官。関節、筋肉、骨挌、靭帯、腱、末梢神経系などの総称であり、ロコモはこれら運動器の複数の病態が複合した状態をいう。ロコモのうち変形性膝関節症、骨粗鬆症の患者に限っても推計約4700万人(厚労省)いるといわれる。ロコモは国民病であり、その対策は緊要な課題とされている。

ロコモの原因

 ロコモの原因は運動器自体の疾患加齢による運動器機能不全とに分けられる。筋力の低下、肥満、加齢などが主な原因である。

日常生活でのロコモチェック

布団の上げ下げ、掃除機の使用、着替えなどスムーズにできますか片足で立ちながら靴下がはけますかつまずいたり、滑ったりしませんか階段は手すりにつかまらず上がり下がり出来ますか横断歩道は青信号で渡れますか15分程度続けて歩くことは苦になりませんか2㎏程度の買い物をして持ち帰りが出来ますか。以上7項目のうち該当する状態があると運動能力が低下してをりロコモになる危険性がある。

関節の軟骨が擦り減っていく変形性膝関節症の対処法

*治療法としては薬物療法(炎症を防ぐ)、温熱療法(温め血行を約する)、運動療法(筋肉強化)、手術療法とうがある。

*痛みの解消法

・つま先を外側に向けて歩く(O脚に変形している人は除く)

・痛いと感じることは避けるが安静にしすぎず適度に動かす。ひざ関節を柔らかくする。

・ヒアルロン酸治療(関節液を投与し軟骨を保護する)

・足底板利用(O脚を補正)、サポーターの利用

 以上が簡単な要約であるが、先生は最後に「変形性膝関節症対策はひざに過度の負担をかけない、筋力を衰えさせない適度の運動、肥満予防が大切。ロコモ対策を怠らず生活することが老後の楽しい人生に繋がる」と語った。

 参加者の男性は「今ひざは悪くないが、転ばぬ先の杖で勉強にきました」「ジムに通っているが、ロコモやひざ痛の理解を深めたかった。参考になりました」と女性参加者。

シニアには有意義な講座だったとこもごも語っていた。

 

 

取材同伴者名:佐藤政孝
中島正嗣
シニアリポーターの感想

受講動機を「転ばぬ先の杖ですよ」と笑いながら語ったシニアの笑顔が印象的だった。
人に頼らず、行政に頼らず自分の健康は自分で守るという気概が大切ではないか。
健康寿命(介護を受けず自立して生きる期間)を少しでも伸ばすようロコモに留意し生活していきたいと感じた。ガニ股で歩いたら楽になったという話があった。お悩みの方試してみませんか。