シニアリポーターの取材リポート リポーターが取材したイベント情報をご紹介!

梅雨空に深緑の小径散策

取材日 2019年07月12日(金)

      ヤマユリ
      ヤマユリ
  レンゲショウマ、花はまだ。希少種
  レンゲショウマ、花はまだ。希少種
 ボタンクサギ、深緑に映えて。
 ボタンクサギ、深緑に映えて。
   

 川崎市内にある唯一の県立公園「東高根森林公園」の、この時期ならではの魅力を紹介する。同園周辺は昭和30年代の後半、高速道路建設により丘陵が分断された。その開発の過程で弥生時代から古墳時代に至る遺跡が大量に発見された。

これら遺跡とシラカシ自然林を文化財として保護するため、県は史跡天然記念物に指定。当時の人々が耕作を営んでいたと推測される周囲の谷(現在の湿生植物園)と森を合わせて県立公園として整備した。開園は1978年(昭和53年)。近隣には緑ヶ丘霊園、生田緑地、つつじ寺、あじさい寺がある。市街地を背に静寂な環境が残っている。神奈川景勝50選の公園でもある。遺跡群は古代芝生広場の下に眠っている。

 

この時期の散策

梅雨の合間の曇空、平日の午前中なら、さらに良い。人が少なく、しっとりとした空気が心地よい。冷夏の影響か、例年にない爽やかさだ。紫陽花など初夏の花は終わり、今は山野草が存在感を示している。可憐なものが多く、それらを見つけながら散策するのが楽しい。

 群生しているもの、ひっそりとあるもの、香りを放つものなど、日一日と変化がある。絶滅危惧種などもあり、毎日通って観察するマニアもいる。

 

園内ガイドはビジターセンターで  
ここには園内で撮影された、夏の植物写真が展示され、壁の園内図には観察場所が記されている。「フィールドガイド」が安価で販売されており、ポケット図鑑として便利だ。配布の園内マップには、散策モデルコースが示され、車椅子も用意されているので体力のない来場者も同行できる。平日の駐車場は余裕があり、終日無料。あとはやぶ蚊対策を忘れずに。

 
 ヒメオオギスイセン、葉に露がきらめいて

 ヒメオオギスイセン、葉に露がきらめいて

    コウホネ、池の葉陰に

    コウホネ、池の葉陰に

   ミズカンナは背高のっぽ

   ミズカンナは背高のっぽ

    ハンゲショウの群生

    ハンゲショウの群生

    野生のキキョウ、希少種

    野生のキキョウ、希少種

    緑のグラデーション

    緑のグラデーション

梅雨空の下マイナスイオンを感じながらの散策
石渡一美
シニアリポーターの感想

 四季の変化も魅了があり、近隣の人々に愛されている。ザリガニは駆除の意味もあり、釣り竿が用意されており、子どもたちは夢中になっている。自然観察、絵画などの講座もあり、餅つき、工作、収穫祭などお楽しみ企画も多数行われている。各沿線からのアクセスも良い。カルガモ、サギなどが迎えてくれる。