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川崎市自動運転バス- 実証実験を体験する

取材日 2025年09月26日(金)

カメラ19台ほかセンサーが多く搭載されている
カメラ19台ほかセンサーが多く搭載されている
上のモニターは運転席 下は走行路
上のモニターは運転席 下は走行路
バスから見える羽田エアポートガーデン
バスから見える羽田エアポートガーデン
  近年、川崎市では運転手不足などでバス路線の減少が多くあるという。それを解消しサステナブルな社会を目指して、自動運転バスの運行を目的とした「KAWASAKI L4 Bus Project」に取り組んでいる。
  現在、大師橋駅から多摩川スカイブリッジを渡り、東京都大田区の天空橋駅までを結ぶ「羽田空港線」で、自動運転バス実証実験を行っている。一般の人も試乗できるというので体験してきた。

大師橋駅から天空橋駅へ
  「羽田空港線」の停留所は大師橋駅前、キングスカイフロント西、東、そして天空橋駅の4か所。どこからでも乗降車できるが、試乗には川崎市ホームページからの事前申し込みが必要となる。
  今回予約したのは大師橋駅前から天空橋駅行きのバスだ。京急大師線・大師橋駅の改札を出て、右手に曲がるとすぐに停留所が見つかる。自動運転バスは2番からの出発だ。運行状況のチェックをしているスタッフが数名乗車しており、自動運転バスについての説明をしてくれた。  

安心の走行
  自動運転はレベルが5段階に分けられるそうだ。今回のプロジェクトは※レベル4を目指しているが、試乗するバスは※レベル2である。車内前面にあるモニターに走行状況が表示される。説明によると画面の走行ラインは、問題なく進める場合は「青」、障害物があると「赤」で示されるという。また手動運転になると行先表示画面が「手動運転中」となる。今回は行程のほとんどが自動運転だった。運転席が映る画面もあり、ハンドルから手を放している様子もよくわかる。お陰で状況が把握でき、また走行も安定していたので安心して乗っていることができた。

未来に向けて
  計画では令和9年度に自動運転レベル4を目指しているという。今回はバス運転免許を所持している運転手が補助を行っているが、段階が進めば不要になり、車いす利用者の介助などを行うスタッフだけになるという。長期的にはスタッフも同乗せず、遠隔地からのカメラ監視のみによる自動運転を目指しているそうだが、そこまでの道のりはまだ遠いと話していた。
  運転手の乗務するバスと自動運転のバスが協力して人々を運ぶ。そんな未来図を川崎市は描いている。

※レベル2:システムが縦方向及び横方向両方の車両運動制御の
               サブタスクを限定領域において実行するもの
※レベル4:システムが全ての動的運転タスク及び作動継続が困難な場合への                                      応答を限定領域において実行するもの
                                                      
 <参考:自動運転車の安全技術ガイドライン>


川崎市自動運転バス試乗予約はこちらから⇒KAWASAKI L4 Bus Project-自動バス-


 
大師橋駅
東海林美千代
シニアリポーターの感想

 数年前に天空橋羽田イノベーションセンターのHICity自動運転バスに乗ったことがあります。その時は隣に車が接近したり小さな障害があったりすると、すぐにバスは止まっていました。そのたび乗務員がコントローラーで運転補助をしていました。今回のバスは障害物があっても止まることなくスムーズに走行していました。もっとも止まるときは急ブレーキで少し驚きました。
 自動運転レベルは国土交通省のサイトに説明が載っています。検索してみてください。
 自動運転バスには川崎駅と川崎病院を結ぶ「川崎病院線」もあり、次の実証実験は来年のようです。すぐそこまでやってきた未来の乗り物に試乗してみてはいかがでしょうか。