



小さな美術館、斎田記念館
学校の教室を一回り大きくしたような規模の一室に、48点の竹工の芸術品が展示されている。9月からの展示も12月19日(金)で終わる。
竹細工は江戸時代以降、煎茶道の流行と共に竹芸として大阪で発展した。江戸後期から明治にかけて関東にもそれが広まった。その後、早川尚古斎(しょうこさい)が自作の篭に銘を入れ、作家としての位置づけをした。後に竹工芸界では初めての人間国宝となる。
【参考】早川 尚古齋の作品一覧-公益社団法人日本工芸会
昭和の台所にはいくつもの竹ざるがあった。竹細工は日常の雑貨であったが、これらはプラスチックに変わった。そして近現代では、雑貨ではなく芸術品となった。しかしエコな材質、手に入りやすいなど、竹が見直される昨今となった。「竹でmy蕎麦ざるを」など、ワークショップも各地で開かれるようになった。
芸術作品の竹工品は年月を経て、色つやも良くなり大変長持ちする。インバウンドのおかげでアジア圏では、品質が良い日本の竹細工品に、高い注目が集まるようになってきた。
【参考】斎田記念館、主な作品と斎田家 展覧会 – 齋田記念館
2025年特別展 無心庵コレクション「竹藝清玩」とポスターにある
「無心庵」無心庵(竹芸工房)|伝統工芸品の通販 手仕事専科
※竹細工のワークショップはネットで見つけられる
編み目の見本、9種の一部
日常の竹細工/むすび入れ/蕎麦ざる等々
斎田家入口 美術館と隣接
斎田家を囲む白壁塀
斎田家自宅、数寄屋造り区の文化財 美術館パンフより
迫力あり、屋敷内の大杉巨木、
竹芸術品のなんと繊細な事か。竹を糸のように細くして、レースのように編んだ篭、その細い竹をびっしりと編み込んだツボ型の篭、幅広の竹で力強さを表現したものなど、とても素晴らしかった。作品銘の日本語表記は難しい漢字が並ぶが、英語表記ではどれもBamboo Basketとシンプル。
さらにこの美術館の持主の家がこれまたビックリ、ちょうど若奥さんが幼児と共にお出掛けで門が開き、立ち話に応じてくれた。「維持管理が大変、古い家なので暮らしに苦労」と話してくれた。この家と木立は世田谷区の文化材になっている。