
- 由緒ある小高庵玄関

- 市民プラザスタッフによるおもてなし
「川崎市民プラザのお茶室はこちらを真っ直ぐお進みください。」の立札。木がこんもり繁る中を足早に通り抜ける。と又も同じ看板が目に飛び込む。街灯はポツンとたっているが茶室の玄関が見当たらない。あたりは薄暗くこの道を通るだけでも十分怖い。
茶室は国宝で有名な如庵(じょあん)を模して建てられた由緒ある建物だ。小高庵と言う。玄関を入るとスタッフが水中花の生菓子とお茶の一服のおもてなしをしてくれる。障子や廊下はまさに年代物で、子供が歩くときゅきゅときしむ音がする。
ろうそくの明かりが語り手守屋政子さんの顔をほのかに照らす。すんだ声で本日7月16日は、海の日ですが、この地面のしたーにある三途(さん ず)の川を渡った方が現世に戻って来られる日です。
第1話 チリンチリンの音と共におかめのはなしが始まる。相思相愛の若夫婦の話だ。若くして亡くなった妻おかめがなかなか成仏できなくお化けとして表れ夫を苦しめる。おばあちゃんと来ていた男の子はおとなしい。守屋政子さんはこの話は作家小泉八雲の話であると説明。
第2話 ヒューお化け特有の擬音と共にろくろ首のはなしが始まる。障子には得体のしれない影がうっすらと少し動く。これはスタッフの工夫かそれとも茶室の庭木と月明かりの効果かとにかく怖いはなしにはぴったり。ろくろ首には轆轤(ろくろ)を回して陶器を作る際に粘土の首が静かに伸びることに由来する和製ものと首が肉体から離れ激しく飛び回る外来製があるとか。木こりの一族に見せかけた妖怪のろくろ首が旅人を食い殺して困らせていたが中国で修行した坊さんがろくろ首をうまく成仏させたはなし。(石塚の名称の由来になったのかも)
第3話 短編梅屋敷 守屋さんはこの話に出てくる子供の声の表現がとても上手で、くりくり坊主の小僧さんがひょっこり現れて話し始める。怖い雰囲気になる。
大人こどもを入れ30名の参加。暑い中だが母親の横にくっついて聞き入る子もいた。
「外は真っ暗で大きな木ばかりです。火だまが木の陰からでて来るかも。足元に注意してお帰り下さい。」・・・・・・はぐれないようにみんなと一緒に帰らなくてはとそそくさと由緒ある玄関を後にする。