川崎市消防音楽隊の高らかな演奏と、カラーガード隊、レッドウィングスの華やかなデモンストレーションに、二路線の溝ノ口駅と商業ビルの間に広がるデッキ上には人垣ができていた。秋晴れにも恵まれた。
11月9日から15日まで、「全国秋の火災予防運動週間」が始まる。それにあわせて高津消防署が行った「高津秋の防火フェア」だ。二駅間の人の流れに沿わせた各ブースでは、防火対策・心肺蘇生方講習・消火器の使用法・子どもむけミニ消防車・風船配りなど来客に応えていた。関連の啓蒙チラシなどの配布は、各町会の婦人消防隊が、揃いの半纏(はんてん)で手を貸していた。
特に力を入れていたのは「住宅用火災警報器は設置済みですか?」という市民への呼びかけだ。現在すべての住宅に設置が義務付けられているからだ。警報器については「どんな種類を」、「購入するには」、「取り付け方は」、「設置場所は」など親切に答えてくれる。設置により被害は半減するという。同時に悪質な訪問販売への注意、警告をする。消防職員が販売することは絶対にない。
◆警報が鳴ったら?
火災の時:大声で周りに火災をしらせる。119番に通報。可能であれば初期消火をおこない、危険 と思えば速やかに避難する。
火災ではない時:調理の湯気・煙・熱などの感知で鳴った場合は、警報音停止ボタンを押す。またはヒモを引く。換気などを行い、原因を取り除く。
◆放火は火災原因の第1位
当市内では毎年100件以上の「放火火災」が発生している。平成23年まで36年連続で1位となっている。防止策として各家庭の「放火されない・させない」環境づくりを消防局では推進している。
放火防止のポイント:家のまわりに燃えやすいものを置かない・家のまわりは明るく・地域で声かけと見守りを・物置、倉庫には 鍵を・ゴミは収集日に。
「我々のこうした活動で、市民のみなさんの防火の意識が高まってくれれば」と高津消防署予防課主任の植木さんは話す。会場は、若い母親が順番待ちで幼子をミニ消防車に乗せ記念撮影など、さらに買い物客や、電車の乗降客やらが立ち寄り大盛況だった。「いざ」というときの安心のためにと、シニア世代が次々と足を止めていた。
出動服に着替えて、ハイポーズ!
フロンターレも協力
シニア婦人隊、出動
制服姿で市民と直接接してくれるのは、いざという時に消防隊に守られるのだという頼もしさと安心が得られるものだと感じた。またシニア世代は逃げ遅れのないよう、報知機の設置はもちろん、出入り口を広く開けるなど心がけておきたいと思った。