川崎市が主催する、環境に優しい「エコ・クッキング」は、申し込みが殺到する人気講座だ。平成24年度かしこい消費者連続講座「目からウロコの知っとく情報・全3回」のうちの第1回目。溝ノ口の「てくのかわさき」に24名の女性が集まった。
東京ガスの「エコ・クッキングインストラクター」による講義から始まった。
毎日の食事の支度に、エコの焦点を合わせた内容は、心がけしだいで誰もが実行出来る「エコの作法」だった。
■買い物は、必要な分だけ旬のものを買う。例えば冬のトマトは、旬の物より10倍のエネルギーがかかっている。地産地消のもの選びで、輸送エネルギーを減らす。
■料理は、熱量も調理クズも少なく。一人当たりのゴミ排出量は年間約45ℓ袋31個。その約半量が生ゴミ。2割強が手つかずの食品だという。調理の際、鍋に蓋をすると20%の熱量を節約。炎は鍋底からはみ出さない。湯を沸かすときは給湯から。熱いうちに食するものは後回しに仕上げ、温め直しなどしない。
■食事の片付けは、水の汚れを最小限に。調理器具も食器も、古布切れで拭き取ると8割の汚れがおちる。水1ℓに小さじ半分(2.5CC)の中性洗剤液*を作り、スポンジに含ませながら洗い物をする。すすぎ水は蛇口から小指1本くらいの水量で充分。茹で汁、とぎ汁で下洗い。その他、チラシでゴミ入れを作る。生ゴミの水分量を減らす。 *洗剤によって濃度は異なります
これらを実践すると、台所から出るCO2排出量は2分の1に減らせるという。
後半はエコ料理の実習が行われた。フライパンでパエリアの他3品だ。参加した中高年の主婦達は、手際はよいが日頃の習慣がうっかりと出る。一喜一憂しながら献立を仕上げた。試食時間に、各家庭で行っている「エコライフ」をたずねた。
汚れ拭きの布切れを用意している人は多かったが、「その他は耳の痛いことばかり」と口を揃える。「今後は環境のためにも、家計のためにも『エコ・クッキング』を心がけたいと」反省しきりの弁も出た。この学習を持ち帰り、個々の暮らしに根付いてゆけば、やがておおきな循環になっていくのだと思った。
【参考】同イベントを企画担当している川崎市消費者行政センターでは、市民の安全で快適な暮らしをサポートするために、「くらしのセミナー出前講座」、契約トラブルなどの消費生活に関する相談業務をはじめ多くの消費に関する市民密着型の業務を行っている。
相談窓口電話:044-200-3030 事務室電話:044-200-2262
講師の手元が天井に映る仕掛けになっている
チラシで作ったゴミ箱 結構丈夫です
洗剤液を作り、蛇口の水は止める
以前、生ゴミは「ダンボールで堆肥づくり」、今回は「エコクッキング」と取材をさせていただいた。実践継続できれば主婦の鏡だと思うが、ついつい、さまざまな言い訳が頭をよぎります。できることは一つでも良いから、実行しようと決めました。