“できる男か”と試される? 戸惑いを感じるイベント名の講座が「すくらむ21(男女共同参画センター)」で開催された。14名の男性参加者を前に講義を始めた吉川圭子氏は、マスターライフオーガナイザー(注)の肩書を持つ。
笑顔と親しみのある口調で「今までに担当した講座の参加者は圧倒的に女性でした。また、女性のための講座は沢山ありますが、男性中心の講座はほとんどありません。そこで、今回は男性を中心に参加できる講座を(すくらむ21)にお願いしました」と背景を説明された。
「オーガナイズとはアメリカで開発された“住宅における豊かで上質な住空間を創出”するプログラムです」と。そして「オーガナイザーは豊富な知識をもった良き理解者であり、アドバイザーで、欠点探しをする人ではありません」との説明に参加者から安堵の気持ちが伝わってきた。
「片付け上手な人は“必要 / 不要”の判断基準を持っている。判断の元になるのは個人の“価値観”である。これを鍛えるには脳の司令塔である前頭葉を刺激すること。例えば新しいことに興味をもち、手を動かし、五感を活用することなどである」と説明があった。最初のワークショップで各個人の“価値観”の違いを体験することになった。
課題は5種類の車を次の項目(流行、オリジナル、機能、思い出、高級)で各自が順位付けしその理由を述べること。ここで参加者は年代、生活スタイルなどで判断基準が異なることを実感させられた。
つぎに片付かない原因の3要素は
① 場所 :狭い、収納スペースが少ない
② 物 :使っていない物がそのまま放置 (原因の80 ~90%)
③ 人 :捨てられない、時間がない、家族が片付けない
である。が、「物」が片付かない原因の根本的な問題は「人」である。このワークショップでは「人」の判断基準によって整理され方がどの様になるかを体験することになった。
課題はそれぞれに形、大きさ、色が違うフェルトのプレート(100枚位)と大切なもの(コイン1枚)を収納箱(お皿三枚)に仕分けること。
その結果、
① 重要な物をいれるお皿とその他に分けた方。
② 仕分けの過程からプレートの区分け整理を始めた方。
③ 色分けしたあとに量の多いお皿はゴミ処分と決めた方
など、参加者がそれぞれに前頭葉を刺激して仕分けをされていた。
参加された60歳代の方は「整理とは“頭を使う事”。知らなかった。新発見!」と感想を述べられた。
(注) 一般社団法人「日本ライフオーガナイザー協会」が認定した指導員