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星空ゆうゆう散歩

取材日 2013年09月19日(木)

メガスターⅢの投影(川崎宙と緑の科学館提供)
メガスターⅢの投影(川崎宙と緑の科学館提供)
爽やかな説明をされる河原郁夫先生
爽やかな説明をされる河原郁夫先生

82歳最高齢解説員・河原郁夫先生の解説)

 毎月第3木曜日、「午後のゆっくりとしたひとときをプラネタリウムで過ごしませんか?」いうシニア向けのプラネタリウム投影会の案内を目にした。50年以上前までは、ふるさとで目の辺りにみていた足元まで降り注ぐような星空をプラネタリウムって再現してくれるのかなあと、期待を胸にその日を待った。場所は生田緑地内の「かわさき 宙と緑の科学館」で、川崎市在住の65歳以上の者は無料と、これも嬉しい。午後1時過ぎの開場より少し早めのお昼過ぎ、科学館・広報担当の方を訪ねた。

 今日解説して下さる河原郁夫先生は、昭和5年のお生れ。小学生の時に、有楽町にあった東日天文館で見たプラネタリウムに魅了されたそうだ。天文博物館五島プラネタリウム解説員を経て、川崎市青少年科学館の解説員をつとめ、今日に至っておられ、プラネタリウム一筋58年なお現役の星空の解説者だ。

 

(星空の投影)

投影装置は、川崎市在住のプラネタリウムクリエイター大平貴之氏により新しく開発されたという「メガスターⅢフュージョン」。ここだけにしかない世界最高水準の星空が投影できる。河原先生のお話では、大平さんは小さい時に、青少年科学館で見たプラネタリウムに魅せられ、工学者の目で星空を作り出すメガスターのクリエイターになられたとか。

 

200席ある会場の中央にメガスターフェージョンが設置され、それを円形の輪のようにリクライニングシートからなる座席が囲む。先生が説明される操作盤の台は北側壁沿いにある。どこが見やすいか広報の担当の方に聞いてるうちに満席になった。円形のおおきな会場、球面のスクリーンを見上げると、いよいよ川崎の夕暮れからの星空の投影が始まった。今日の解説話題は、「今宵は中秋の名月」。先生は操作盤の前に立つと緊張すると言われたが、その解説は年輪を重ねたからこそなし得る素敵なものであった。19日の20時の星空、富士山上の星空、満天の星と天の川を先生が選んだ心地よい音楽と先生の案内で星空を仰いでいるのは、まさしく「星空のゆうゆう散歩」だ。今宵は珍しく、中秋の名月が満月となると紹介された。先生の育った東京・大田区の戦前の夜は、真っ暗で、満天の星空が見えたそうです。

「平日のゆっくりとした午後のひとときをプラネタリウムで過ごす、至福の時。星空解説を半世紀以上続けている河原郁夫先生が皆様を星の世界へと誘います」。まさしくその通りだった。

 

 

 (投影が終わって)

河原先生の名調子に魅せられて参加されているとお聞きしたご夫婦連れもいらしたし、投影が終わったあと、先生のスナップ写真撮りや、一緒にカメラにおさまるなど、先生は引っ張り凧。先生の一番お好きな正座は、オリオン座だそうで、小学校の時に見た印象が忘れられないそうだ。降り注ぐように星が沢山あるのに、星座の名をどのようにして覚えられたかをお聞きしたら、1回覚えれば、星座の名前は忘れないとも言っておられました。

 

 

(メ モ)

「星空ゆうゆう散歩」は、5年ほど前から行なわれていて、2014年3月迄 毎月第3木曜日13時30分から、鑑賞券は当日9時30分から販売されます。また、川崎在住の65歳以上の方は無料です。川崎市の福寿手帳をお持ち下さい。

 

開場を待ちわびる参加者たち

開場を待ちわびる参加者たち

投影が行なわれる会場

投影が行なわれる会場

鑑賞券を求めるシニア達

鑑賞券を求めるシニア達

かわさき 宙(そら)と緑の科学館
宮島 賢治
シニアリポーターの感想

春には、カエルの鳴き声がうるさいくらい、夏は、ホタルが行き交いが街燈代わり、秋は、虫の音の音楽会、冬は真っ白な銀世界、歩けばギシギシ粉雪を踏む音、そして、夜には星が足元まで降り注ぐ、そんな田舎の満天の星空に逢えました。みなさん、ぜひこの機会に足を運んでは如何ですか。
原稿を書きながら、窓越しに見上げれば、そこには、満天の空、先週の嵐が嘘のような穏やかな中秋の満月が私を受けいれてくれていました。2010年代最後の「満月の中秋の名月」の日だそうです。

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