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3人に1人が認知症

取材日 2014年01月29日(水)

講演会場

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各種パンフレット

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土橋カフェ

土橋カフェ

 現代では85歳以上の高齢者の3人に1人が認知症になるという。癌と同じように誰でもなりうる病気であり、避ける事は難しい。だが治療薬もあり、早期発見で適切な対処が求められる。またそれ以前に認知症になりにくい生活習慣を身につける事が重要だ。身近で深刻な認知症は関心度も高く、宮前区向丘出張所で開かれた講演会には40名程が参加し会場は満員だった。高齢者が中心で男女比は1対9、女性参加者が多かった。講師は大倉山記念病院精神科・もの忘れ外来の髙橋正彦部長。

早期治療で治す・遅らせる       認知症は発症する20~30年前から前臨床段階が始まり、軽度認知障害を経て認知症へと至る。原因としては、主に脳にアミロイドが蓄積されることにより起こるが、残念ながら現在では止めようがない。ただ同じ蓄積量でも発症には個人差があり、努力次第で症状を抑える事が出来ると言う。また認知症にはアミロイド蓄積以外にも多くの原因があり、10%が完治可能だと言う。医師の正確な診断を仰ぎたい。そして現在、進行を遅らせる薬が4種類あるということだ。何より早く医療機関に相談し、直せるものは直し、適切な投薬で進行を遅らせたい。

発見すべき早期症状は  1記憶障害(一部ではなく全体のもの忘れ) 2思考・判断力の障害(人の話についていけない) 3実行機能障害(だんどりの障害) 4家事能力の低下 5意欲・自発性障害 6性格変化(怒りっぽくなった)等があり、身近な人の観察が大事だ。

なりにくい生活習慣とは      1適度な運動 2健康的な食生活(糖尿病はリスク2倍、喫煙プラス飲酒では発症が6~7年早まる) 3知的刺激 4規則正しい適度な睡眠(睡眠時間が不規則な職種は発症リスクが高いと言われている) 5過剰なストレスを避ける 6活発な社会活動 が効果的だという。またいわゆる安定剤はリスクを高めるため安易な服用を避けたい。

講演後の質疑相談     「アミロイドは止められないのか?」にたいし「我々には間に合いません。50年後かな?」また「本人が医者に行ってくれない」との相談では「かかり付けの医師から指示して貰うこと」や「地域の集いの場・土橋カフェ(044-855-4301)に顔を出しては」等のアドバイスがあった。さらに「認知症になるのを完全に防ぐことは難しいが、認知症になっても幸せに生活することは可能です。」という髙橋先生の言葉には救いがあった。
宮前区役所向丘出張所
佐藤政孝
シニアリポーターの感想

高齢社会の宿命かもしれないが、発症率の高さに不安を覚える。また認知症は本人にとっても苦痛であるが、身近な家族を巻き込むため、早期に発見し医師の指示に従うことの大事さを痛感した。

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