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ロボットで介護の未来は明るい

取材日 2014年03月05日(水)

受講者にも大人気の「パロ」

受講者にも大人気の「パロ」

意思だけで動く「HAL」

意思だけで動く「HAL」

排泄問題の切り札「爽」

排泄問題の切り札「爽」

 人生の最後まで、自立生活を全う出来るのは男性の10%だけだという。女性や90%の男性は加齢とともに自立生活を失う。高齢社会では介護が大きな問題となるが、担い手不足時代に、科学技術はどう貢献できるのだろうか。川崎市高齢社会福祉センターの「介護ロボットセミナー」を受講してみた。3体のロボットの説明は大和ハウスのヒューマン・ケア事業推進部の方たち。

安らぎを与えるロボット「パロ」 モデルは「たてごとあざらし」アニマル・セラピーと同じ心理的効果やストレス低減をねらい、柴田崇徳工学博士により開発された。最もセラピー効果の高いロボットとしてギネスブックにも載った。抱き上げると喜び、内蔵された人工知能により話しかけに反応し、目を閉じたり開けたり・甘えるような鳴き声をあげる。ハンドメイドなので一体一体個性がある。アメリカでは2009年から医療機器として認定。ヨーロッパではパロの指導資格を持った療法士までいる。老人だけではなく精神障害児や激務の看護師に大人気だと言う。神奈川県では半額助成制度がある。(一体35万円、世界30カ国累計3000体。国内では70%が個人所有)

驚異のロボットスーツ「HAL(R)」福祉用 膝・股関節等の障害者向けの下肢補助タイプロボットが「HAL」であり、開発者は筑波大の山海嘉之工学博士。この機器の優れた特性は、脳梗塞などで動かなくなった足でも、動かそうとする人の意志が発する生体電位信号を、皮膚に貼りつけたセンサーで感知し、HALのモーターを稼働させ歩行する仕組みである。これにより動かす機能が呼び覚まされ、自立へと導くことが期待されている。ドイツでは医療機器として認可され、川崎ではリハビリ「ふくや高津館」にも導入されている。ビデオで見た患者の驚きの笑顔が紹介された。(5年リース 月16万円)

自動排泄処理ロボット「爽」 寝たきり方のための自動のシャワートイレと言えば分り易いかもしれない。寝たまま排出が出来、センサーが感知するとシャワーで洗浄、ホースで吸引し徐湿する。本体にセットされたタンクに溜め、外してトイレに流す。ホースを通しての循環なので臭いは漏れない設計だ。大便で7回分、小用で10数回分溜められ、満量・水切れは自動停止、音声が知らせる。専用の穴あき紙おむつにカップをセットしての使用になる。要介護の方も介護者も共に、排泄問題という難題から肉体的・精神的に解放される。(介護保険適用で本体レンタル月5から6,000円。タンク式衛生ユニット買い取り1万円)

エポック中原
佐藤政孝
シニアリポーターの感想

ここまで介護ロボットが進化していることに驚いた。経済産業省も2015年から普及レベルに進めると言う。「長い介護で看取った母に使わせてあげたかった」「これで介護のために会社を辞めずに済むのでは」という声。関係者への啓蒙が切に望まれる。
セミナー問合せ先 川崎市高齢社会福祉総合センター044-976-9001 介護ロボット問い合わせ先 大和ハウス0120-934-576

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