生田緑地のばら苑が、今年も春の一般開放を迎えた。1958年の開苑時、東洋一とも言われた広大な苑内は、満開となったバラの色彩と香りで満たされていた。苑内で作業中のボランティアの方に話を聞く。「毎年見ごろを予測して開園日を決めますが、今年は初日から最高の状態でお見せすることが出来ました。」
ボランティアの歴史 遊園地が閉園となった後、荒れ果て存続が危ぶまれたばら苑であったが、2002年に川崎市が引き継ぎ、ボランティア有志の協力を得て存続することになった。第一期生は681名に上ったという。「現在は130名ほどのボランティアが、専門家の指導を受け交替で管理しています。」「花が好きで手入れを楽しんでいる人から、学術的な研究・分類作業をしているレベルの人まで様々です。」活動は原則として10時から12時までの2時間、月に2回以上参加できる人を募集している。(044-200-2394 川崎市みどりの企画管理課)
ばらの殿堂入り 苑内には500種以上のばらがあるが、「ばらの殿堂」入りを果たした15種類の名花も全て育てられ、見る事が出来る。これらのばらは世界バラ会連合(40カ国が加盟)で選び抜かれたものだ。美しいことはもちろん、丈夫で育てやすいことも加味された、世界中で愛される名花だ。苑内を回りネームプレートで確認するのも楽しい。詳しくはローズガーデンハウスに掲示されている。
車いすで見学 介護師の押す車いすで訪れた集団も見かけたが、目が合うとお互い自然に笑顔で挨拶を交わす。そこかしこで記念撮影に収まる人、三脚を立て大きなカメラ機材でひたすら花を撮り続ける人と、楽しみ方は様々だ。「今年は満開の日にあたって良かった。」と言う声が多かった。ボランティアの方は「しばらく雨が少なかったので、傷むツボミも少なく今日はとても良い状態です。」とのこと。
春のばら 秋のばら バラ苑の一般開放は春と秋の年二回。秋のばらとの違いを教えて貰った。「つるばらは主に春だけの開花です。その分秋の一般公開は淋しいと言う人もいるのですが、秋は花の色が冴え、香りも良くなるので好む人も多いのです。」と言うことだ。
期間中は「ばらに関する講習会」や「ミニライブ」「写真募集」など様々な企画が用意されている。
開園時間 6月1日まで 火~金 10時から16時半 土・日・祝日 9時から16時半 月休み
純白の競演
殿堂入り1号「ピース」
春限定のつるばら
今年は最高の状態で一般開放を迎えた感があった。形の良い状態の花が随所で見られ、数多くの傑作?写真が撮れたと大いに満足した次第である。ボランティアの皆さん本当に有難うございました。