多摩丘陵の一画に麻生区役所敷地内の新緑に包まれた中に、重厚なタイル張りの麻生文化センターがある、その1階市民ギャラリーで、川崎市民中心の多摩丘陵の写真を愛する、サークルの手作り写真展「多摩丘陵の四季」が5月に開催された。
会場には四季折々の写真48作品が展示され、興味深い写真が数多くあった。代表者の松本明孝さんによると、「多摩の自然を長く残すため、撮影場所は公表しない、又、子供たちに伝えよう、この自然をテーマに展示している。」との事。
展示会は年1回、麻生文化センターギャラリー、高津文化センター市民ギャラリーで交互の開催、今回で26回目を迎えた、その内容は、その一瞬に輝きを見せる木々、草花、昆虫等、素晴らしい写真は自然の営みを捕らえ、ファインダーから覗き、カメラで捕らえた、多摩丘陵の自然の息吹が伝わってくる。
特に貴重な写真は絶滅危惧種の昆虫・鳥の写真で、展示には絶滅危惧種の表記はされてない。調べてみて驚いた、その数の多さと多摩丘陵にも素晴らしい自然が残っている事である。
● 作品「オオムラサキ産卵」{準絶滅危惧(NT))
コメント「見上げる高さのエノキに止まり、そのまま動かないので、望遠レンズで撮影、拡大すると一心に卵を産んでいることが判明。感動した。」 (写真提供 多摩自然の写真会)
● 作品「ニホンカワトンボ」 準絶滅危惧(神奈川県、)
コメント「5月の陽光の中、翅のオレンジがとてもきれいです。平地の河川から山地の渓流にかけて生息するとあります、・・・・」
● 作品名「ツミ」 絶滅危惧II類(VU)
コメント「ツミはハトの大きさのタカの仲間です、気性は激しく小鳥を捕らえるのが上手です。・・・・」
● 作品名「バンの親子」 準絶滅危惧(NT)
コメント「バンの雛が餌取りをしていました。そこへ、母親のバンがやって来ました。全身で喜びを現して、母親に駆け寄るバンの雛です」
以上絶滅危惧種については、筆者が百科事典(ウィキベディア)で調べた結果である。
30年近く多摩丘陵を見つめ、写真に記録してきた多摩自然写真の会に敬意を表する。
写真 「オオムラサキの産卵」
写真提供:多摩自然写真の会
撮 影 者:会員 吉谷 明憲 さん
麻生文化センター 会場入り口
展示会場 写真をじっくり見学
受付と展示会場
多摩丘陵の写真展との事で気楽な気持ちで出かけたが、その内容には驚かされた、戦後の環境破壊から自然を取り戻しつつある、この川崎で、素晴らしい自然を残したいと思う写真は、ぜひ子ども達に見せたい写真展であった。