昭和49年から始まった高津区民祭は41回目を迎え、“猛暑の中の一大イベント”として区民に親しまれている。大山街道を中心に、各所で多彩なイベントが行われた。実行委員会、協力団体は50件ほどにのぼる。
多数のイベントの中、涼を求めて「二ヶ領用水親子ボート下り」を取材した。13時開始で、大山道にかかる大石橋から下り、つぎの橋までのおよそ50メートルを、10人乗りE-ボートで往復する。安全教室受講後の親子を4組ずつ順に乗せる(事前申し込み制)。
主催は「二ヶ領用水ウォッチング・フォーラム」。多摩川・リバーシップの会と地元企業の日本ミクニヤ(株)の力添えによって実施できると、主催者団体のスタッフの一人、長村(おさむら)さんは話す。
「二ヶ領用水ウォッチング・フォーラム」は、400年続く二ヶ領用水を観察(ウォッチング)しながら、「次世代に、どう守ってつないでゆくか」を考える会である。川崎市河川愛護ボランティア制度認定団体であり、26年度かわさき市民公益活動助成金支援事業でもある。
活動をとおして、水辺の現況などを行政に伝え、意見書なども出す。地域と連携し、環境美化にも力を注ぐ。今では「二ヶ領用水」は川底が見えるほどの水質になった。一帯は区内の癒しスポットとなり、憩いの場にもなった。それらは市民ボランティアの力が大きい。猛暑の中、各所でシニア世代が大活躍していたが、活動継続の次世代を育てるのが課題だという。「二ヶ領用水ウォッチング・フォーラム」では随時会員募集を行っている。
※その昔、大山街道を挟んで二ヶ領用水沿いには数件の染色屋があった。川面に藍の反物が幾筋も揺らめいていた。昭和30年中頃から、市内のどの川もゴミとヘドロの川になっていった。
多摩川・リバーシップの会
水の中に入り川を学ぶ会。カヌー・カヤック・E-ボートなども楽しみ、指導する。水に関するイベント協力は多数。今回のイベントでは、「水辺の安全教室」と「E-ボートによる水路下り」を実施。
E-ボート:http://eboatodaiba.web.fc2.com/eboat2009/temp/e-boat_details.pdf
日本ミクニヤ(株)
環境調査会社。水質・泥・水位・水量などの調査。防災関係事業も行う。246号線と二ヶ領用水の交差したところが所在地。「二ヶ領用水ウォッチング・フォーラム」の支援会社。
二ヶ領用水ウォッチング・フォーラム連絡先
阪口(090-9326-2706 t_saka1418@yahoo.co.jp)
HP http://nikaryo.cocolog-nifty.com/
会場の大石橋、川風が抜けます
車両止め、灼熱の大山街道
献体登録ブースもありました
地域は、シニアのボランティア活動に支えられているのだと、こうしたイベントを通して実感する。活動は、現役を引退した世代の生きがいや、健康促進にも一役買っていると同時に、世の為にもなっている。しかし後継者不足になやんでいる。「ここも絶滅危惧種だ」と言いながら、皆とてもパワフルだ。