平成26年8月1日及び6日、川崎市環境局の「水環境体験ツアー」に2日間参加した。バスで移動しながら、1日目は生田緑地の湧水地や平瀬川源流、西長沢浄水場を見学、普段見学できない浄水場の広さに驚き、水環境の現状を知ることができた。
参加者は39名。女性は約3割、圧倒的にシニア層の男性が多かった。中には数組の夫婦や昨年のリピーターも参加した。バス車内で出題されたQ&Aを交えながら、リポートをまとめた。
● 寝そべって泳ぐコイ?
自然界の水は、海水が蒸発→雲→雨→地下水・湧水→川→海へと循環している。しかし、田畑や山林が宅地化されると、雨はいきなり川へ流出。平常時は水嵩が減った川でコイが寝そべって泳ぐとこともあるという。
★湧水地
湧水とは地下水が地表に自然に現れたもの。市内の湧水は、平成4年~平成9年で98か所あったが、平成23年には41か所と約6割が枯渇し、周辺の緑豊かな自然環境も消滅した。市内で最も広い緑地である生田緑地で、整備された数か所の湧水地を見学した。
毎月、川にバケツを投げ入れて水質検査を実施するが、ペンキの刷毛の汚れを洗い流すだけでも水質が悪化する。
Q:地球の水の総量の97%は海水。では、人間が直接利用可能な水はどの位あるか?
A:0.5%未満
●川崎の水はどこから来る?
世界中で、蛇口から水道水が安全に飲める国は、フィンランド、ドイツ、スロベニア、クロアチア、オーストリア、日本の6カ国だけと以前聞いた。(国土全体で)
川崎市の原水は酒匂川の下流、小田原市飯泉地点で取水し、西長沢浄水場に着水。以前は多摩川水系から取水したが、水質の悪化で、酒匂川水系に変更した。台風の後は、チョコレート色に濁った原水が着水することも。河川から原水を取水するのは、世界でも珍しいという。
★西長沢浄水場
・まず講義。93年前(大正10年)川崎市の浄水場開設。水使用量は、当時(人口4万人)1人1日83リットル。平成25年は、(人口145万人)1人1日330リットルを使用する。
・見学(敷地は15.5ヘクタール、東京ドームの3倍強の広さあり)
着水井→凝集池→薬品沈でん池→急速ろ過池→浄水池と大小72の池や槽が碁盤の目のように並ぶ。完成した浄水は別棟の調整池(未公開)に運ばれ、水道水が誕生!
炎天下にコンクリート舗装の屋上を、ひたすら約40分間歩き見学。長袖、長ズボン姿の案内役職員の背中半分が、汗で濡れていた。とにかく暑い!
バケツを投げ入れ、平瀬川の水を採取
槽や池が整然と並ぶ浄水場
炎天下の見学 お疲れ様
感 想
以前、アメリカの浄水場に忍び込んだ高校生たちが、泳いだり、ボート遊びしていたとのニュースを思い出した。川崎の浄水場は大丈夫だろうか?今回の見学で、あの池や槽で泳ぎたいとは思わないだろと一安心。55キロのかなたから到着した原水から、更に3日かけて水道水誕生という水を大事にしたい。
吉川 眞沙美