8月1日に続き、6日も川崎市環境局の「水環境体験ツアー」に参加した。今回は使用済みの水処理と、放流する東京湾の現状を見学し、水処理センターでは微生物を使った新しい処理方法、環境総合研究所ではアサリの浄化能力を学んだ。当日、東京・神奈川・千葉の各都県による東京湾環境一斉調査日だったが、
強風で順延になり、乗船も含めた調査の見学中止との報告に、バス車内は大きなため息が漏れた。
●今年は多摩川に過去最大数のアユが遡上! 8月1日号の市政だよりで「・・下水処理などが進んで水がきれいになった」と掲載された。市内では、麻生・等々力・加瀬・入江崎の水処理センターが稼動中だが、今回は川崎区の入江崎水処理センターを見学した。
Q:川崎市で1年間に処理する水は東京ドーム何杯分か? ちなみに1杯125万トン ア250杯、イ160杯、ウ90杯 A:160杯 |
Q:下水道に流入する水はBODが約200mg/Lですが、処理後に放流する水はどの程度か? ア20mg/L、イ10mg/L ウ5mg/L A:5mg/L |
●アサリの棲息は、東京湾の環境のバロメーターの一つ
東京湾に面した東扇島東公園内に「かわさきの浜」がある。炎天下の海岸を約40分歩き回り、底質(泥温)測定や浪打ち際で採取したカニ・アサリ・アオサ等を見学した。「緑潮」の原因となるアオサを撲滅するため、DNA鑑定で種別を特定中で、食用のアオサとは別品種。
「かわさきの浜」は、平成20年に完成した人工海浜。川崎に50年ぶりに復活した海岸は、天然のアサリが採れると話題になった。
・環境総合研究所 午後の講義で、講師が濁ったビーカー内の水にアサリを投じたが、24時間後に濁った水が澄んだ水になるという。アサリなどの二枚貝には「赤潮」の原因となるプランクトンを減少させる機能があり、まさに天然の浄化装置である。
冒頭に触れた東京湾環境一斉調査で、東京湾の環境の変化を期待したい。
床下の槽から処理水を汲みあげ、説明する
波打ち際の調査を説明する。近くに海遊びに興じる子ども達
浜の小さな住人たち
感 想
浄水場や水処理センターの場所さえ知らず、どんな施設かと参加した。専門用語が難しく、記事をまとめる時、やむなく配布資料の一部を転用した。
午後の講座で、放映された公害関連の「白い雲を返せ」で、中学生時代の社会見学を思い出した。昭和30年代、日中なのに工場地帯の空は夕焼け色。思わず後ろを振り向くと、川崎駅方面は青空だった。多摩川はいつも洗剤の泡が舞っていた。今は平成26年、多摩川に最大数のアユが遡上し、今日の空はどこを向いても青空が広がっていた。改めて環境の大切さを実感した。
吉川 眞沙美