講師の大下勝己氏
講演会場(計30名の参加者)
熱心に話を聞く参加者
定年間近や定年後のシニアを対象とした、「定年後をどう生きようか、地域デビューの仕方」などのセミナーはよく目に・耳にしますが、「40代からはじめよう地域活動のススメ」というタイトルに惹かれ、多摩区まちづくり協議会主催の多摩★まち大学の講座を取材した。
「地讃人」企画第1弾
川崎市多摩区在住の著名人(「地讃人」)の話しを聞いてみる企画の第1弾。講師は40代から「おやじが変わる、家族が輝く、地域が蘇る」をコンセプトにパワフルに活動している大下勝巳氏。
地域活動を始めるきっかけ
高度成長期が終わり、「量的豊かさ」から「質の豊かさ」へ学び・余暇志向へ移って行き、安定成長期に入った時で、男は依然として会社人間であった時代の1982年秋に40代で「父親家庭教育学級」に参加した。参加した15名すべての人が自ら進んできたのではなく、大半が妻に背中を押されて参加していた。
講座を聞いて終えるだけでなく、自分と何が違っているのか、地域の教育力と父親の役割などを話すようになった。
講座の終了後「せっかく知り合ったのだから、今日で解散ししてしまうのは惜しい、月に一度集まろう」ということで、おやじの会「いたか」が誕生し、地域社会へデビューした。
地域活動
地域は、人とのつながりの中で生き方の根底を耕してくれる場。職業人とは別の自分が育つ場である。
「体験」「実践」を通して学ぶ『知・情・意』が混然となって人間関係を学ぶ場でもある。
地域活動7つの勘どころ
1.好きなこと、できること、楽しいことをやって地域の人から喜ばれる、必要とされる。
2.縦から横へ。会社・職場から地域へ。…会社人生とちがったものが2週間に1回・3時間入って
きたことで自分を変えた。
3.「やってみよう」の気持ちで新しい自分に出会う。軽いフットワークで出かけよう。
4.個人の思いを「公」につなぐ。自己表現の場づくりをしよう。
5.男性は、女性の意見に耳を傾けよう。井戸端会議力を養う。
6.言い合うのではなく、聴きあう関係づくりを(グループカウンセリング)。傾聴の心を持とう。
7.違い(人それぞれの)を楽しみ、生かしあう。違うからこそ仲間力・チーム力が出る。そして、日
常活動では、過程を楽しみ、高めあう関係づくりを行う。
地域は私たちを待っています
職業人だけの狭いチャネルで生きてゆくのではなく、地域活動の中で「私から「公」への舞台が開けていった。そして地域で必要とされる自分づくりができる。
『地域は、私たちを待っています。私たちも地域を必要としています。
地域活動に参加して、仲間・つながりと出番を、そして健康と生きがいを』
遊びと学びの寺子屋スタート
川崎市の「地域の寺子屋事業」が10月からスタートします。
多摩区は中野島小学校で週1回「学習支援」、月1回「体験活動」「世代間交流」が始まります。
『地域のシニアが寺子屋の先生として活躍。地域デビューのキッカケとして活用しては』
今回参加した『多摩★まち大学』とは
多摩区内の市民活動団体やボランティアに関心のある人に向けて、広く開かれた学びと交流の場を提供する企画として、平成23年度にスタートした。主催は「多摩区まちづくり協議会」
地域デビューのキッカケをつかみたい人はたくさんいると思います。しかし行動を起こすとなると躊躇してしまうのが現実。大下さんの話を聞いて、人に押されて進んでみると、そこには同類の仲間がいる。そこで職場では味わえないさまざまなことが体験できる。人に押されても何でもいいから、とにかく動いてみることで次の展開が生まれることを学んだ。