体育館平面図
討議しながらカードを配置
思わず立ち上がってカードを配置
高津区まちづくり協議会が主催したこのゲームは、静岡県危機情報課が作成し、現在全国に広まりつつある。内容は、災害時の避難所で発生する可能性がある状況をボードゲーム化したものである。 |
福祉のまちづくり・避難所運営ゲームの目的 |
災害支援には、福祉の観点が不可欠であるという。災害に遭遇するいかなる人々も、全員が災害弱者となってしまうことが前提となっている。これら弱者への地域ぐるみの支援・対策・課題をより具体的に考え、災害復旧時の対応力を草の根で理解しようとするものである。 |
避難所運営ゲームとは |
読み手が読み上げるカード(3.5センチ×5センチ)には、避難者の氏名、住所、年齢、性別、健康状態等が記載されている。更に、より詳細な人物設定があり、親とはぐれた小学生の兄弟、自閉症、日本語が話せない外国人、車椅子が必要、妊娠5か月、動物アレルギー、重度の障害をもつなど多彩である。 |
そのほか物資の配給、高速道路が閉鎖された観光バス旅行の一行が到着、取材の対応等さまざまな状況設定がなされている。 |
読み上げられたカードの内容を瞬時に判断し、そのカードを家族やグループごとに避難所の体育館平面図上に配置するゲームである。 |
災害時の避難所の大変さの模擬体験 |
次々と読み上げられるカードにゲームの参加者は、避難所で思いもよらない場面に遭遇する。例えば、「盲導犬に導かれた全盲夫婦の来訪」との記載の場合、盲導犬は体育館に入れるかどうか。トイレの全面使用禁止時に「我慢できない子供の来訪」との状況でどう対処するかの判断を迫られる。多くの避難者が様々な問題を抱えて登場するため議論が白熱し、設定された時間内で最後のカードまで到達出来たグループはいなかった。 |
参加者の町内会長からは、「面白いゲームだ。参加者は熱い討議をして欲しい。」高津警察署災害担当者は「ゲームの参加有無で実際の対応力に差がでる。」まちづくり協議会会長は、「防災に対する認識の差が出てくる。多くの人が経験できるようにしたい」との感想があった。 |
ゲーム体験・参加するには |
少人数でも「カードを借りることでゲーム体験が可能」です。カードの貸し出しについては、川崎市危機管理室にお尋ねください。検索は「川崎市ぼうさいライブラリー」。 |
災害発生時には、自らが災害弱者になってしまうこともある。また、従来は日常生活で出会う人を中心に物事を判断しているが、このゲームを取材することで、避難所には、様々な問題を抱えている人が来ることを実感した。