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読む人をタイムスリップさせる古文書

取材日 2015年01月28日(水)

城塞のような書庫

城塞のような書庫

左から吉宗、綱吉、家光の院号名

左から吉宗、綱吉、家光の院号名

江戸時代にタイムスリップ中

江戸時代にタイムスリップ中

 現役時代は川崎都民だった人も、リタイア後はゆとりある時間の中で川崎を改めて見直すことだろう。川崎市公文書館は、近年の市政資料歴史的公文書などを保存し、市民へ公開している。中原区等々力緑地の入り口にある。一見お堅いイメージだが、子どもの夏休みの宿題を手伝ったりもする。当館の古文書講座は大人気で抽選漏れの人が多数でる。その場限りのインターネットでの調べものと違い、来館した人々は、歴史に深く引き込まれるという。
川崎市公文書館
1階から中2階を含む3階までの書庫には、歴史的公文書、現在の公文書、古文書、複製古文書、市政資料、歴史図書が整然とおさめられている。
公文書は、入庫時に保存期間30年、10年、5年、1年と分類され、期限が来るともう1度見直され、廃棄される文書は焼却でなく業者の所で溶解されている。
古文書はコピーし冊誌にしてあり、目録で探す事が出来る。
東日本大震災後、「地名で地盤の状態がわかる」という事で調べに来た人もいた。
又、近年の妖怪ブームで、子どもが川崎の妖怪を調べに来たこともある。
☆ 市役所にはサンキューコール(044-200-3939)があり、川崎に関する情報を探す手伝いをしている。そこで分からなかった事は、当館や中原図書館、市民ミュージアム、地名資料室などが協力してくれる。
又、歴史講演会や古文書講座を開いている。次回の歴史講演会は3月1日(日)午後2時~4時「川崎市の90年を振り返る」(応募締切2月13日)
問い合わせは733-3933まで。
中級古文書講座江戸時代の寺社と川崎市域の人々」 1月18日と25日
講師は菅野 洋介氏(市川歴史博物館学芸員) 江戸時代の崩し字の古文書を読み解きながら当時の寺や住職のまだ解明されてない位置付けを考察していく。
文化11年(1814)12月西福寺の住職を引き請けるにあたって実明房(じつみょうぼう)という人物が、梶谷村の役人と檀家衆中へ差し出した引受書付には「境内の建物・樹木・什物の管理」に関する規定が細かに記されており、当時、寺と村の結びつきが強かったことが分かる。寺院間で組織された「組寺」の存在もみられた。当時世襲でなかった寺は一体誰のものであったのか?地域と寺、住職と村民、寺同士の関係が多くの資料で解き明かされれば当時の日常に迫る事ができるだろう。
延享3年(1746)3月、武蔵国橘樹郡稲毛領上丸子(カミマリコ)日枝神社神主 山本丹波の書いた御朱印御改覚帳には家光、綱吉、吉宗の院号名がある。将軍から御朱印を頂くと免税となったが、受取の手続きが複雑だった為、後世に書き残したものである。
 
川崎市公文書館
勝野井 央子
シニアリポーターの感想

 館内の歴史に関するパンフレットや歴史本の背表紙に囲まれた時、「ここは面白い!」と感じました。市民の方にもっと公文書館の面白さを知ってほしいと思いました。
講座は1月18日、25日、2月1日、8日の4日間でしたが、1月18日,25日の講座をリポートしました。講師の丁寧な解釈で講座中は分かった気分でいたのですが、いざリポートの為に読もうとすると字が読めず困ってしまいました。でも古文書講座の魅力は理解できました。周りは古文書に引き込まれたマニアぞろい。「当館は抽選になかなか当たらないので品川歴史館などに行っているが資料は川崎が一番」だそうです。

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