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詐欺師はプロ、誰でも騙される。

取材日 2015年03月04日(水)

防犯効果の高い玄関シール

防犯効果の高い玄関シール

パネルディスカッション

パネルディスカッション

パンフレット

パンフレット

 川崎市消費者行政センターに寄せられた相談は年間8,000件を超え、減る気配はない。そのうち高齢者の割合は2割近くになる。1,000万円以上の高額被害も129件あり、1億に上るものもあったという。
 
 被害者は財産を失うだけではない。心に大きな傷を負い、自責の念から自殺に追い込まれるケースもあるという。特に相談相手のいない高齢者の1人暮らしは、地域が見守る必要がある。消費者行政センターでは地域の「見守り力」を高めるため、シリーズでフォーラムを企画した。今回は住田裕子弁護士の基調講演とタレントの布川敏和さんらを交えたパネルディスカッションがあり、参加者は300名近くに上った。

相手はプロ、誰でも騙される  近所づきあいが深かった日本では、地域の見守り力が働き、詐欺被害は少ないと言われてきた。しかし都市化・高齢化・一人暮らしが増えるにつれ、見守り力が衰えつつある。一方では詐欺の手口は高度化し被害は増加の一途をたどっている。
 
 最近増えてきているのは「送りつけ詐欺」だ。宅配便を受け取り開けてみると、心当たりがないのに請求書まで同封されている。「さあどうしたらいいでしょうか?」と住田弁護士が問いかける。「正解は、なにもしないこと」だという。先方に確認の電話を入れるのは、こちらの個人情報を教えてしまうことになるからだ。万一開封してしまっても買い取るという意思表示にはならない。2週間が経過すれば処分しても何ら問題は無いという。また電話での売り込みははっきりと断ること、あいまいなやり取りを先方は録音し、都合のいい部分を承諾の意思表示だと迫ってくるからだ。

不用意に人を家に入れない 不用品買い取りを口実に、宝飾品等を強引に買いたたき持ち去る被害が増えている。また、排水管の洗浄を頼んだことをきっかけに、226万円にも上る高額な床下補強工事をされてしまった人もいる。これは専門家のアドバイスで全額返金させたという。訪問販売などで契約してしまっても、8日間のクーリング・オフ制度もある。特定記録郵便を使用する等、手続きは慎重にしなければならないが、まずは専門家に連絡しよう。大事なのは一人で抱え込まず相談することだ。また被害者を責めてはいけない、本人がもっとも自責の念で苦しんでいるのだから。

 詐欺師は「健康・経済・孤独」の3Kにつけ込んでくる。また「絶対・安全・お得・今だけ・数に限り・あなただけ」という甘い言葉・うまい話は無いのだ。
相談窓口
川崎市消費者行政センター 044-200-3030  消費者ホットライン(全国統一)0570-064-370

エポックなかはら
佐藤政孝
シニアリポーターの感想

 誰でも「自分は大丈夫、詐欺は他人事」と思っている。だが相手はプロだ「次は自分が・隣人が騙される番だ」と自覚しておくことが必要だ。高齢者と同じぐらい40代の被害者が多いという話を聞くと、自分が持っている自信は根拠がないものだと思わされる。   

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