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新鮮食材を食べることが薬

取材日 2015年03月14日(土)

手順はシンプル。でもコツが味を決める。
手順はシンプル。でもコツが味を決める。
念入りに道具や材料の確認
念入りに道具や材料の確認

  宮前区の子育て支援事業「食育講座」として、和食の達人・野崎洋光氏による「つなげていきたい本物の味・家庭の祝い膳」の講座が開かれた。
野崎講師は、自らの手で料理することは、先人たちの「生きる知恵」を学ぶことと説き、同時に「和食を食べていたら長生き」は大きな勘違いとも。その昔日本人は和食しか食べていないが短命だった。

 日本人の寿命は鮮度の良いものを口にできる環境が整うとともに延びてきた。それは「冷蔵庫の普及、鮮度を保持した輸送、食品売り場の衛生管理の向上」などが平均寿命を延ばしてきたと独自の視点で語る。「宮前区には57ヶ所もの直売所があり、鮮度抜群の地元野菜が入手できる。これに勝る健康食材はない」と。
 市販のカット野菜が、長時間、変色すらしないことを「変」と思う人は多いはず。これらは薬剤を使用し洗浄を繰り返して、店頭に並ぶ。これを積極的に摂取しても、たいした生命の糧にはならない。食材を選び、自らの手で正しい手順で料理をすることが、家族の健康を育む大事な作業だと諭す。「コメは磨ぐではなく洗う」「葉物はぐらぐらと茹でない」「だしは水から80°までの温度で」など基本中の基本をおそわる。
   
 超多忙で人気料理家の野崎氏を宮前区に招くことができたのは、地元在住の元気シニア吉永順子(みちこ)さん(64)のコーディネートによる。おかげで5倍もの応募者が有り盛況だと、青山正彦こども支援室長は話す。講座の食材は地元農家から吉永さんが調達した。彼女は同区の人気イベント「C級グルメコンテスト」のグランプリ受賞者でもある。川崎市主催の料理教室がきっかけで以後30余年「食育の場」で活躍されている。
 この講座の応募資格は「子育て中の方」だそうだが、シニア世代の健康管理にも貴重な内容であったとともに同輩の生き生きとした活躍もズームアップできた。

 
講座「家庭の祝い膳」 
献立:1赤飯(炊飯器で炊く)2鯛の淡煮(茹で野菜のだしと、うす塩で軽く炊く) 3ローストビーフ(フライパンで和風味)  4椎茸ほうれん草のお浸し(椎茸の茹でだしで)  5菜の花と豆腐の吸い物  6のらぼう菜の和物 

【備考】野崎洋光:東京南麻布の人気日本料理店「分とく山(わけとくやま)」総料理長。都内他に数店。「美味しい方程式」など著書多数。

受講生に親しく指導

受講生に親しく指導

野本紀子区長もお手伝いに

野本紀子区長もお手伝いに

よしなが みちこさん(左)

よしなが みちこさん(左)

取材同伴者名:荒川 洋子
宮前市民館料理室
石渡一美
シニアリポーターの感想

 鮮度の良いものほど体に良い、地産地消、身土不二(人間の身体と土地は切り離せない関係にある ということ。その土地でその季節にとれたものを食べるのが健康に良いという考え方で、 明治時代に石塚左玄らが唱えた)を再確認できた講座でもあった。  荒川

 食中毒などを防ぐため、業務用加工野菜は多様な手を加えていることは、実際に見たことがある旬のものを食べるとエネルギーを感じるのは、錯覚ではないと思った。 石渡

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