登山人気の高まりとともに、遭難事故も増え「年間2800人にも上ります。その原因の半分ちかくが道迷いであり、特に単独行での事故が多い」と、みろく山の会の小菅事務局長。こうした事態を受け、登山でいかに安全を確保するかをテーマに、みろく山の会主催の登山スクールが開かれた。机上と実技の2回の学習会には約40名が参加した。
机上学習 14日は「1山の歩き方・服装と装備 2山のトラブル対応 3地図の読み方とコンパスの使い方」を学ぶ。小幅でゆっくりと余裕を持って歩く、これが基本だ。脈拍で運動負荷を知ることが出来る。50代は125以下、60代は120以下を目安にする。靴はネンザ予防のためクルブシまであるものを選ぶ。服は化学繊維を選び、冷えやすい木綿製品は絶対不可。体温調整をし易いように重ね着が良い。水はしょっぱくない程度に塩を加え、ミネラルを補給して足ツリを予防する。蜂対策として黒い衣服を避け帽子を被る等の基本を学ぶ。
また山行に必携のシルバコンパスを使い、地図の読み方を学ぶ。地図上の真北とコンパスの指す磁北のずれを教わる。沖縄では約4度・東京では7度・札幌では約9度西にずれるのだ。翌週21日の陣馬山登山にそなえ、地図に傾斜7度の磁北線を引いた。
登山実技 15人のグループが2組、各組に3人の山の会の指導員が付く。準備運動をして相模湖駅を9時15分出発。早い登山者に先を譲りながらゆっくりとしたペースで進む。休憩時に脈拍を測る。「脈拍が基準を超えてしまった人は、ここから下山します。送って行きます」と水谷リーダー。あいにくの小雨の中だが、脱落者もなく進み、途中で地図読みの実習。机上学習では良く分からなかった地図読みだが「ようやく理解出来ました」との声や笑い声があがる。12時45分、3時間半で陣馬山山頂に到着した。残念ながらガスで遠くは見通せない。
トラブル発生 昼食後、再び地図読みと記念撮影があり、30分ほどで下山開始だ。小雨の後で、粘土質の土や木の根・丸太の階段がすべる。途中2名が疲労やスリップ等のトラブルで足を痛める。その都度、指導員が応急処置をしたり、荷物を背負ったりしながら全員無事に下山させた。さすがの準備と手慣れた手当てだった。
下山後の感想 「もうすこし長い休憩時間や昼食時間が欲しかった」との声があったが「これには理由があります。汗をかいた後の冷えが足ツリの原因になるのです。冷える前に行動することが大事です。ツリそうな時は腰の後ろにカイロを当てて温めて下さい」との説明があった。
小幅でゆっくり進む
ようやく理解!地図読み
山頂で記念撮影
下山後の「反省会」では美味しいビールと楽しい語らいがあり、リーダーの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいでした。いっぽう、たとえ低山であっても油断はできないし、特に単独行では対応が難しいことを思い知らされました。適切な指導を受けて、安全を確保したいものです。
なお「みろく山の会」については、トップページの「仲間の頁」で詳細を見ることが出来ます。また当サイト2014.10.24のリポート「月50回以上のハイキング・山行活動」でも紹介していますので、あわせて参考になればと思います。