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笑う門には福来る 寄席へのお誘い

取材日 2015年05月23日(土)

「いっぱいのおはこびで・・」と橘家蔵之助さん
「いっぱいのおはこびで・・」と橘家蔵之助さん
暖簾をくぐると提灯が並ぶ
暖簾をくぐると提灯が並ぶ

矢上川沿いの井田の静かな住宅街に「ひとみ座寄席」と書かれたのぼりが立ち、お囃子が聞こえてくる。5月23日、ひとみ座寄席が開催された。開場時間になると「いらっしゃいませ」「どうぞお入りください」と揃いのはっぴを着た世話人たちが、外で待っていた人たちに声をかけ招き入れる。常連の方が多いようで、来場者は、受付を済ませると、お茶とお饅頭、ビールとおつまみなどを買って中に入っていく、100席ほどの会場はたちまち一杯になった

ひとみ座寄席の始まり
「人形劇団ひとみ座」主催の第1回ひとみ座寄席が27年前に開催された。その後、継続的に落語を楽しみたいと地域の有志も集まり、「ひとみ座寄席を楽しむ会」がつくられ、年に2回の開催で今回は51回目となる。ひとみ座が稽古場を提供し、スタッフとしても全面協力、地域住民と一緒になり盛り上げている。受付では懐かしい人形達も出迎えてくれた。「ドン・ガバチョ」「海賊トラヒゲ」「マシンガン・ダンディー」「サンデー先生」など、「ひょっこりひょうたん島」のメンバーである。NHKで放送されていた頃、夢中になって見ていた方もいるのだろう「懐かしいなあ」と写真を撮る人もいた。

ひとみ座寄席の魅力
ひとみ座寄席は、昼の部、夜の部の2部制となっており、「月の家鏡太」、「入船亭扇蔵」、「橘屋蔵之助」による落語、「林家楽一」の紙切りにより、中入り(休憩)を挟み二時間ほどの番組が組まれている。世間話の“まくら”から話が始まり、観客がリラックスしたころ、「ところでご隠居」、「おいハチ公」とグイッと落語の世界に引っ張り込む。右と左に顔を振るだけで人物を演じ分ける。噺家さんの話術と客の想像力だけで感じる江戸の暮らしの様子は、見えていないのにわかる。これが落語の世界である。桟敷席に座ると目の前でプロの芸が見られるので、落語を生で見たことがない方にはお勧めの席である。身近に噺家さんとふれ合うことができることも嬉しい。

落語好きの70代の男性は、「家内は後ろで見ています。私は前で見たいからね。いつも楽しみだ」と話していた。「近所なので、毎回来ています」と若い女性の方も仲間と連れだって来ていた。みな、自分の好きなスタイルで寄席を楽しむことを心得ている。

 

次回52回ひとみ座寄席は10月24日(土) 午後3時・午後7時 開演
人形劇団ひとみ座・事務所 電話 044-777-2222(平日10~18時)
044-777-2225(平日10~18時)
市バスの「井田営業所前」から徒歩3分。最寄りの駅は元住吉、徒歩20分

開場はまだかな、常連客が待つ

開場はまだかな、常連客が待つ

ドン・ガバチョ 懐かしいなあ

ドン・ガバチョ 懐かしいなあ

お茶、ビール、お饅頭、おつまみもあります

お茶、ビール、お饅頭、おつまみもあります

中原区井田 ひとみ座
内田恭子
シニアリポーターの感想

紙切りを間近で見たが、凄いものだと驚いた。ひとみ座寄席の出演者は、みな選りすぐりの噺家さんばかりで、軽妙な語り口を聞くだけでも気持ちいい。気分がからりと明るくなる。
「ひとみ座寄席を楽しむ会」では、8月22日(土)に「ひとみ座おやこ夏祭り」を開催する。「こちらも是非遊びに来てください」と話していた。

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