☆なぜ栃木県の花壇?
花フェスタは、花のある魅力的なまちづくりを目的に、(公財)川崎市公園緑地協会の主催で、花壇作りのポイントや楽しさを学ぶ催しである。ガーデンデザイナー徳原真人氏の活動拠点である栃木県の先進的な花壇を見学し、花壇作りのポイントを学んだ。
夢花壇は、東京ドームの約8倍という広大なわんぱく公園のシンボル花壇である。10年かけて育成した景観が伸びやかに広がり、バスで来訪した幼稚園児や木陰でランチを楽しむ親子連れで賑わっていた。
☆なぜ植物園のように咲くの?
一面に広がるポピー畑におもわず歓声があがった。この花を見事に咲かせているボランティア夢咲人(ゆめさきびと)たちは揃いのエプロンで、強い日差しの中、除草や植栽作業中だった。月4回の活動で9年目になる。長続きの秘訣は「楽しさが一番!茶菓子持参でお喋りすれば花より団子。花壇は日本一 エイエイオー!」とおどけた。
講師によると、 夢花壇は行政が方向性と水やりを担当し、夢咲人が花を管理する「行政と民間の協働作業」の花壇である。来訪者や職員から「お疲れ様」「綺麗ね」の一声が、夢咲人たちに張り合いやプライドが生まれ、植物園のように生き生きとした花を咲かせるという。
☆花壇作りのポイント
講師は速歩きで、ホワイトレース、ノーピア、マツカサアザミ、ギガンチュームと珍しい花や花壇の作り方を紹介した。
・その土地に合った花を探す。
・高額な球根も倍々に増やせば、数年後には見事な群生となる
・前年のこぼれタネから発芽した苗は丈夫に育つ。
植栽設計
・奥は宿根植物、手前に1年草を植えれば、毎年の植え替えは手前を中心に行なえ、効率が良い。
・赤葉コデマリを奥に置くと遠近感が生じて手前の花が引き立つ。バラとの相性は抜群。参加者は鑑賞とメモ書きで大忙し。予定の90分があっという間に過ぎ去った。
☆季節の色が見えますか?
午後は自治医大こども医療センターを見学した。ボランティア花咲jii(じい)は2階のウッドデッキに四季の花々を植栽し、周辺では柿や桃、ブルーべリーが熟す。病児のアレルギー予防として、樹木や花に薬剤散布しない。窓際から見る病児や家族に、みどりや実りの季節が届いたかしら?
赤い実はさくらんぼ、手の届く範囲ならとのお許しに、四方から手が伸び、甘いねとにっこり。
参加者は、定員40名のところ、157名の応募があった。「花には力がある」という講師の言葉が印象的という女性や、写真やメモを取る花大好き人が多かった。
アクセス 北関東自動車道 壬生ICから3分。東武宇都宮線おもちゃのまち駅からタクシーで5分。駐車代及び入場料は無料。
詳細は とちぎわんぱく公園 028-86-5855
炎天下の中、作業する夢咲人
徳原講師は、その土地にあった花を探せ!
病院脇のサクランボ
リポーターの感想
どこを向いても、花、花、花・・初めて見る花々に気を取られ、先進的な花壇の説明を聞き逃した。恐らく夢咲人や花咲jiiのボランティアたちの熱意 が支える花壇ではないか。
次の季節への植え替えがまもなく始まるが、夏はどのような夢空間になるのか。また「風の谷」「「不思議の森」など複数のエリアやカヌーや園内を巡る汽車など、巡れなかったわんぱく公園にサンドイッチ持参でゆっくり再訪したい。
吉川 眞沙美