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多摩区周辺ウォーク その2 登戸から調布へ

取材日 2015年06月16日(火)

中野島・住宅前の水路
中野島・住宅前の水路
柏屋のランチ
柏屋のランチ
 「多摩区、麻生区、稲城市、調布市の丘陵や川辺を歩きませんか」という呼びかけの「多摩区周辺ウォーク」2回目は「多摩川から調布・布田天神社をたずねて」全長15km。登戸、中野島、多摩川べり、調布を歩いた。梅雨空の下の平地歩きはとても蒸し暑かったが、歴史の数々を知ることができた。主催は多摩区周辺ウォーク実行委員会、後援は多摩区観光協会である。

登戸 江戸時代に栄えた商業、職人の町である。1830年頃創業の「柏屋」の1100円ランチは女性に人気である。登戸稲荷神社、現在建替え中の長念寺(1522年建立)に寄り中野島に向かう。畑の傍に無人の野菜直売所が所々にある。
中野島 観音寺の昔の参道は今では考えられないくらい遠くから始まっていた。住宅の前を二ヶ領用水からの水が滔々と流れている。春は花筏、夏は涼感と美しい道だが、狭くて水路の柵がないので夜、自転車で車とすれ違う時、水路に落ちそうで怖いし、子どもの水難の心配もある所だ。
中野島稲荷神社には太子堂がある。太子とは聖徳太子のことで、中国、朝鮮から土木、建築、絵画などの文化や仏教が導入された時、それらを奨励した。職人や寺は恩人として太子を祀っているのである。
二ヶ領用水 1600年代江戸に入った家康は農作の為に二ヶ領用水を小泉次太夫に造らせ、江戸の飲料水を羽村から引いた。二ヶ領用水が三沢川の下を潜ってクロスしている事にびっくり。流域の緑豊かな散策路は市民の丹精による。
多摩川の岸辺の流れは淀んでいたが、河川敷の緑地公園は整備された美しい広場である。
京王閣の対岸、通称オケラ通り河川敷の桟敷で昼食。競輪開催日は京王閣側から渡し船が出るそうだ。
矢野口 多摩区ののどかな景色から一変し、広い道路が走る東京となる。
調布 多摩川原橋を渡る。京王閣の傍の「石の広場」は都電の敷石をリサイクルした公園である。「郷土博物館」のこの地から出土した古代の壺は美しい。昭和の炊飯器、ブラウン管TVは懐かしい。住宅街は新しい家ばかりだ。古い家とその住民は何処に消えたのだろう?区画整理中の登戸もこんなよそよそしい街になるのだろうか?「ボロもえぇもんすよ」と居直りたくなる。
「布田天神社」は927年の書物にその名がのっている大変古い神社である。
租庸調の調は特産品を納める税のことだが、昔、特産品の布を調として納めたことが調布の由来である。



  
多摩区から対岸の調布を望む

多摩区から対岸の調布を望む

中野島・野菜直売所

中野島・野菜直売所

矢野口・馬頭観音

矢野口・馬頭観音

登戸、中野島、矢野口、調布
勝野井 央子
シニアリポーターの感想

 中野島に張り巡らされた水路の美しさを再認識しました。
緑豊かな多摩区の古さ、のどかさを残して欲しいと強く思いました。
6/23 柏屋で優雅にランチを頂いた後、旧津久井道の、昭和を思わせる店の店主に話を聞きました。我らが懐かしの昭和は風前のともし火のように感じました。もし柏屋でランチを召しあがったら、この消えゆく通りもぜひ味わって頂きたいものです。

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