今年で26回目
高度経済成長に伴い宅地開発が進み、二ヶ領用水は農業用水として使われなくなる一方、生活排水の流入やゴミの不法投棄などが問題化し、用水を暗渠化する計画があったが、これを防いだ活動の一つとしてはじまった溝口灯ろう流し大会は今年で26回目を迎えた。
平和だからできる行事
「素人ばかりの集団で、このような行事が26回のよく続けてきたと思う。今回も電話での問い合わせが多々あり、少しは知られてきたと思う。このようなのんびりした行事も平和な世の中だからできるので、きな臭い世の中にこのような行事が続けられるよう皆さんと協力してゆきたい。」と山口実行委員長は話した。
灯ろうは手作り
灯ろうは実行委員会のみなさんが手作りで制作している。今回は150基用意されていた。
1基500円(飲み物付)で販売。3面に絵が描かれており、購入後、思いのまま絵に色付けし、何も書かれていない面にはそれぞれの願い書き入れる。
今回も5年目に入る「東日本大震災の犠牲者の追悼」も行っている。
出来上がると、ロウソクに火をつけてもらい、いよいよ灯ろうを二ヶ領用水に流す。
水の流れを調整
道路公園センターでは、二ヶ領用水で「溝口灯ろう流し」があるということで、灯ろうが流れやすくなるよう、久地円筒分水で水量を調整し、また途中の段差を板などで調整し、普段より水量も多く流れをよくしている。
灯ろうを流す
18時10分に灯ろうの受付がはじまった。親子連れが多い。4~5年前は3世代の家族連れが多かったのだが…と実行委員の方が話していた。
思い思いに絵付けし、願い事を書いて、ロウソクに火をつけた灯ろうは、ニヶ領用水「すくらむ21」前から流し、新雁追橋の先まで流れたのち回収される。
販売は、区民祭終了時間(午後7時30分)で終了となり、暗くなった二ヶ領用水に明かりのついた灯ろうを沢山見るという幻想的な光景はみられなかった。
※灯ろう流し
死者の魂を弔って灯ろうやお盆の供え物を海や川に流す日本の行事で、一般的には、お盆の行事送り火の一種であり、夏祭りや花火大会などと合同で行われることが多い。近年は海や川の汚染が問題になり、灯ろうをそのまま川に流すことは昔と比べると少なくなっている。川の下流などで灯ろうを回収することになる。
■お問い合わせ先
二ヶ領用水溝口灯ろう流し実行委員会 委員長 山口淑子
連絡先 TEL 044-777-0328
流れてゆく灯ろう
用意された灯ろう
色付けしている子供たち
暗くなって沢山の灯ろうが二ヶ領用水に流れる幻想的な様子を想像していたのですが、売れ行きが良くて薄暮のうちに終わってしまったのは残念。
実行委員長の「きな臭い世の中、のんびりした行事が続けられるようにしたい」という言葉が心に残った。