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ゴスペルパワーは凄い!

取材日 2015年08月02日(日)

スリランカで縫製したローブをまとい、いよいよオープニング
スリランカで縫製したローブをまとい、いよいよオープニング
舞台と一体の会場
舞台と一体の会場

創立7年、初めてのコンサート開催

 

渋谷を拠点にゴスペル教室を主催しているゴスペルスクエア(ゴスペル広場)という団体が6月で創立7周年を迎えた。支部は全国23か所にまで広がり、NGO団体(非営利で国際協力に携わる組織、政府活動を補完する組織)として活動している。これまで毎年全国の支部を含め全体で開催してきたが、今回は同団体発祥の地で渋谷教室単独開催となった。700名分のチケットは開催日より前に完売し、当日券の販売は中止となった。クワイヤ(聖歌隊)の数は200人。体の芯から湧き上がるようなビートに溢れた歌。ゆっくりとして祈りを捧げるような歌。軽快で踊りだしたくなるような歌。聴衆の反応も様々だ。歌のリズムに合わせ体を前後に揺する人。ステップを踏む人。歌にあわせ口ずさむ人。20歳代から70歳代までの男女が参加しているとのこと。

 

「ゴスペルパワーは凄かった!」

 

 コンサートは続く。歌は「Oh Happy Day」。日本でも映画が公開され、多くの人がゴスペルを身近に感じるきっかけになった主題歌だ。

フィナーレは、ゴスペルスクエア代表Jennaさん(日本人女性)が作詞作曲した「Unity」という曲。

 

くじけそうになった時は

一人じゃないことを思い出して 

ひとつの箱舟に乗って 

どんな波にも 負けることはない Unityの歌詞から)

 

「人間の根源となる喜び、哀しみ、苦しみは、歌ったり、踊ったり、体が表現したくなるのは太古の昔からなんですね。ゴスペルパワーは凄かった」(さいたま市、女性、マナー研修講師)「今回のようにゴスペルの本場の人たちも参加して開催されたコンサートは初めてでした。感動しました」(東京都中央区、男性、司書)。                                       

こうして3時間にわたるコンサートは幕を閉じた。

 

もうひとつの活動、「国際協力」

 

ゴスペルスクエアにはもうひとつの活動がある。ゴスペル×国際協力というものだ。ゴスペルを歌いながら同時に世界各地の発展途上国の支援を行っている。アフリカのケニアでは、いまだに井戸が不足し泥水のような不衛生な水を飲まざるを得ない地域が数多く存在する。このため感染症の恐怖と隣り合わせだ。また何キロも離れた井戸まで水を汲みに行くため時間が膨大にかかる。このことがこどもたちの就学機会を奪う。この地に、日本の伝統的な井戸の掘削技術である「上総掘り」という手法を持ち込んだ。現地の人たちと日本人が共同で井戸を掘り清潔な水が飲めるようになった。このような国際支援活動は世界7カ国に及ぶ。

コンサート当日5つの国際支援プロジェクトのブースがロビーに設けられた。ここでは、各国で支援を続けている人たちが手作りで作成したローブや民芸品が並べられている。これだけでも現地の雇用支援になる。これら売上金の一部と募金の合計302,071円が支援5団体を通して各国に送られるとのこと。

 

国際協力の詳細は

http://gospel-sq.com/about/fund/html

ゴスペルスクエアに関すること(入会、その他)は

http://gospel-sq.com/index.html

を参照。

 

ケニアの人たちと一緒に井戸を掘るためのやぐらを立てる

ケニアの人たちと一緒に井戸を掘るためのやぐらを立てる

休憩時の国際支援ブースの前は人が動けないほど

休憩時の国際支援ブースの前は人が動けないほど

ゴスペルメンバー。川崎市在住者です

ゴスペルメンバー。川崎市在住者です

渋谷区総合文化センター さくらホール
新谷昌己
シニアリポーターの感想

ゴスペルスクエアは全国の老人ホーム、介護施設等でボランティアコンサートを行っている。当川崎市にも縁がある。昨年8月に川崎市立井田病院でのロビーコンサート、今年5月には聖マリアンナ医科大学病院小児病棟で10の病室を回るコンサートを開催したとのこと。この活動に参加しメンバーからは「貴重な体験をしました」という声が多く聞かれた。今後もこのような活動の継続を期待したい。
今回のコンサートでは、「POWERFUL」という曲が歌われている。一緒に歌われたほかの2曲を含めビルボード誌のゴスペル部門で全米3位を記録したそうだ。アルバムでは「JAPAN MASS CHOIR」という1000人規模のコーラスグループが歌っているとのこと。一般参加を呼びかけ実現したそうだ。日本ではどう受け止められるか、これからが楽しみだ。
ゴスペルスクエアはゴスペルを歌うことと国際支援の融合という理念を掲げ活動を続けているが、これからも良い報告が聞けることを願ってやまない。

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