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変る日本の老後「ときどき入院、ほぼ在宅」

取材日 2015年07月28日(火)

平日なのに、男性が意外と多かった

平日なのに、男性が意外と多かった

講座を終えてホッとした中澤さん

講座を終えてホッとした中澤さん

ほぼ満席だった会場

ほぼ満席だった会場

 

 最近話題になっている在宅医療について、幸区役所と川崎市高齢社会福祉総合センター主催の講座を受講した。両講座から、在宅医療と人生最後の仕上げ方を学んだ。両会場ともシニア層が多く、終活への関心が強いと思った

 

 ★7月28日「家で看取ること・看取られること」(ナカオカクリニック中岡康院長)

在宅医療とは

 自宅や施設など病院以外で受ける医療をいう。地域包括ケアシステムと呼ばれるが、医師が訪問し、歯科医師・看護師・薬剤師・理学療法士・ケアマネージャー・ホームヘルパーが住み慣れた場所での生活を丸ごと支援する。

 医療+介護+福祉が一体となってチームを組むため、上手く機能することが鍵という。また看取る人は「覚悟と労力の分散を」看取られる人は「意思表示を明確に」など在宅医療の現場を語った。

 相談先:地域包括支援センター

 

ピンピンコロリは5%

 「老衰は病気ではなく体全体が経年劣化した状態」という中岡医師。

「平均寿命」-「平均健康寿命」=不健康な時期が約10年ある。さて5%以外の人はこの10年をどう過ごすか。樋口恵子さんは、終活を人生最後の身だしなみとしてとらえる人が増えてきたという。

 

★7月30日「おひとりさまの終活」(ノンフィクションライター中澤まゆみさん)

  なぜ今、在宅医療か 

 中澤さんの著書によると、10年後の医療費、介護費は83兆円と試算される。更に層の厚い団塊世代が75歳の後期高齢者になるが、受入れ先の施設や病院はパンク状態が予想される。既に入院日数の短縮や特別養護老人ホームの入居条件の引き上げなど、国は「病院・施設」から「在宅」へと医療政策を変え始めた。

 

 リビング・ウィル(生前の意思表示)はわかり易く

 人生の最後をどう迎えたいのか。事前に死後のさまざまな片付けやそれを託す人を自分自身で決めておく。

 

「私が認知症になって食べられなくなっても、胃ろうはつけないでください」「私が植物状態になったときには、人工呼吸器をつけないでください」「延命のための経管栄養は与えないでください」「自宅で看取りを受けたいので、家につれて帰ってください」など書き、周囲と共有する。

 

 最後に、人生最大の終活は、「そこそこ良い人生だったと思えるよう、たっぷり生きて、安らかに旅立つこと」で終了した。

 

資料;

 手作りの緊急医療情報カードを保険証と一緒に携行する。(住所・氏名、病名、服用薬、アレルギー反応、血液型、既往症、手術歴、健康保険者番号、かかりつけ医、緊急時連絡先を記載)

アレルギー症状の有無がわかるだけでも、救急治療が開始できる。

 

幸区役所会議室及びてくのかわさき
吉川 眞沙美
シニアリポーターの感想

記者の感想

 講師の中岡医師、中澤まゆみさんのお話で、特に「生前の意思表示」が印象的だった。私事だが、90歳だった両親に人生の最後をどうして欲しいと聞いたが、顔を見合わたまま無言。両親を見送った今でも、悔いが残る。夫婦だけの家族もいつかは一人。気が滅入って書けなかったエンディングノートを夫にも勧めたいと思った。

吉川眞沙美

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