最近、テレビのバラエティなどでも科学的に検証する番組の視聴率が高いという。科学と聞くと難しそうだが、小学生を対象にした科学体験イベントが今年も幸区で開催された。いつもは非公開の研究施設が、幼児を連れた若い夫婦や、小学生達のグループで終日賑わった。主催者は川崎市など3団体、協賛は官民24団体の協力で実現した。
会場は研究棟4、テント8、隣接する広場と駐車場である。ヨーヨー釣りや自然観察会、ロボット操縦、人が入れる巨大なシャボン玉、ソーラーパワー、発砲スチロールで表札作り、手回し発電で電球の違いを体験、光糸電話作り、地デジアンテナ作り、探査機を飛ばそうなど、19のイベントがずらり。体験や実験教室で、母親に促されおずおずと手を伸ばす子、親の方が熱中してつい手を出す場面も見受けられた。
☆光通信
「糸電話は糸を振動させるから声が伝わるよ。今日は糸の代わりに”光”を振動させて声を伝える光糸電話を作ろう」と山本教授が子ども達に説明した。助手や親も手伝い、子ども達は電卓からソーラーパネルを取り出し、ハンダ付けをし、と大忙し。完成した光糸電話を試し「ヤッター 声が伝わった!」と大喜びだった。光糸電話は光通信の原理原則である。
資料によると、グラハム・ベルは発明したフォトホーンを使って、1880年世界で初めて無線音声通話に成功した。
☆燃料電池車
燃料電池の原理原則は「水の電気分解の逆で発電し、廃棄するのは水だけ」究極のエコカー燃料として各国で研究中である。
☆バーチャル診察
医療用のバーチャル診察のweb教材を小学生向けにアレンジしたもの。PC画面の胸部や腹部にマウスで操作した聴診器で、音の強弱やリズムなどの擬似診察を体験した。
☆ふしぎなテレビ
最先端研究紹介コーナーのフォトニクスポリマープロジェクトでは、天井から吊るされた幕状テレビモニターに、緑豊かな森やせせらぎが写し出されていた。鮮明な色彩で、どの位置から見ても画面は歪まない。2020年の東京五輪までに、4kや8kテレビを一般家庭に広く普及させたいと担当者は熱く語った。因みに担当者は、滝川クリステルと見まがう美人であった。
木陰では、手作りの弁当や移動販売車のカレーやパンでランチタイム。いつも静寂なキャンパスの庭も、賑やかな光景が広がっていた。
会場へのアクセス 南武線鹿島田駅から徒歩25分
シャボン玉に包まれて、何が見えた?
ロボットも操縦したいし、隣のアシモも気になるし・・
キャンパス内の庭にも初秋の風が・・
感想
小学生対象のイベントに、シニアは場違いだろうか?しかし今年のチラシで、光糸電話やバーチャル診察など、耳慣れない単語が気になった。科学の苦手な私でも、小学生向きなら少しは理解できるかもと、カメラ片手に自転車に飛び乗った。子ども向きと侮るなかれ!理解不能の専門用語に落ち込み、つまみ食い程度の理解だったが、新しい知識の出会いにワクワクした。
吉川眞沙美