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スーパーフード「キヌア」と出会った(その2)

取材日 2015年12月13日(日)

細かいキヌアの粒に悪戦苦闘
細かいキヌアの粒に悪戦苦闘
慣れない唐みを使う農大・伊藤先生
慣れない唐みを使う農大・伊藤先生

国内における「キヌア栽培」の先進地は、山梨県上野原市    
 同地で「キヌアの森」という世界最大のキヌア専門コミュニティ(自称)を運営しているグループのサイトから引用する
「キヌアは人類の宝です。大事に栽培し、丁寧に育て、慎重に普及していくべきものです。スーパーフード、流行りのダイエット食といった評価で消費をあおられるものではありません」


一押しのイベントが中止

 東京農大オープンカレッジ「キヌアまるごと体験講座」では、11月中旬に「国産キヌアの栽培先進地における収穫、脱穀体験、キヌアのランチ及び作り方ミニ講座」が開催される予定だった。が、今秋の長引く悪天候による不作のため、講座は中止となってしまった。
 人気のカリキュラムだったため、中止発表後に会ったキヌア仲間の間では、中止を惜しむ声が多かった。


厚木市愛甲公民館主催「キヌアアートプロジェクト」においても

 こちらは台風や豪雨以外にも、地形的に日照不足の栽培地という、山梨よりも深刻な事情があった。
 厚木市制60周年事業として、「キヌア」で花畑アートを作成するというプロジェクトが行われていたが、収穫時期を待つまでもなく豊作を期待する声は出ていなかった。
 12月12日には愛甲公民館と近くのキヌア畑において、刈取りと脱穀作業が行われた。来年用の種となるものであり、食用に供されるまでには何年かかるのだろうか。期待していなかった分、見た目よりも多い収穫量に参加者たちは安どした。


「キヌアまるごと体験講座」最終日

 12月13日には、東京農大世田谷キャンパスにて「キヌアを使って手軽に、そしてワンランク上の料理&デザート作り実習」が開催された。実際には、料理研究家の口尾麻美(クチオアサミ)先生によるデモンストレーションの形となった。
 一連のキヌア栽培は地味な活動の連続であり、参加者は定年前後の男女が多かったが、最終日は違っていた。幅広い年齢層の女性たちが、先生のデモンストレーションを熱心に見つめていた。ちまたの「キヌア」人気を垣間見たようだった。講座は盛況のうちに終了した。


国内キヌア栽培における現状と今後の課題

 現在国内では、キヌア栽培先進地山梨県上野原市に続き、京都府立桂高校・神奈川県厚木市愛甲地区、その他国内各地で試験栽培され、試行錯誤が続いている。
 今後の課題は、日本の気候風土に適した種子の開発・確保である。また、国内産キヌアが供給されるようになるまで、一時のブームではない需要の下支えも必要である。 


人気料理研究家・口尾麻美先生

人気料理研究家・口尾麻美先生

幅広い年齢層の女性たちで盛況

幅広い年齢層の女性たちで盛況

キヌアのラザニア・キヌアチャウダー他

キヌアのラザニア・キヌアチャウダー他

厚木市愛甲公民館・東京農大世田谷キャンパス
斉藤 多喜子
シニアリポーターの感想

20年以上にわたって発芽玄米を摂り続けている。以前は、血液の比重が足りず献血には不向きと言われたが、お米に発芽玄米を2割ほど混ぜて炊飯。食べ始めてからは体調が改善し、疲労感を引きずることがなくなった。
発芽玄米をもしのぐ量の必須アミノ酸やミネラル分が豊富に含まれている「キヌア」。
食が細くなりかけている高齢者にこそ是非お勧めしたい。試食やデモンストレーションでは洋食のレシピが多かったが、普段の和食に何気なく茹でたキヌアを入れてみても良い。
キヌアの葉はほうれん草と同様に食べられ、栄養がある。キヌアの葉と実を使った「キヌアの葉と実の白和え」はどちらの試食場面でも見かけなかったので、「創作レシピ」になるのかも。

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