チントンテンの音に合わせて夢見亭わっぱさんの入場。高座に上るやもう笑いが出る。「えー今日の客の入りは沢山ではないですが・・・この八割程度がよろしい。」とすかさず観客をほめる。「先日高校に行き落語をやりましたが笑いがない。英語でもと工夫しましたが「うん」でも「すん」でもない。ダメでしたなぜ?ここが、はんのうしない(飯能市内)だったからです。」「ルルルおばあちゃんですか、大変なことになった・・・」声色を変えながら、軽快にオレオレ詐欺防止落語を展開する。深刻な話が笑いに変身する。
夢見亭わっぱさんは、「悪質商法防止落語」「防犯落語」を、消費者や高齢者に向け分かりやすく伝える。川崎在住の超有名な落語家です。
日本人気質が災いしている?
自分は絶対大丈夫とも思っているが、被害はなかなか収まらない。専門家は次の様に指摘する。
被害者側 高齢者は身内を心配し冷静な判断が出来ない。早くお金を振り込まなければと思う。被害にあっても被害届けをすぐ出さない。日本人の悪い気質とも話す。
加害者側 騙そうとする相手は役者である。電話の向こうには3人組で待ち構え相手の反応に矢継ぎ早に襲い掛かる。時事ネタを使う。(還付金詐欺・東京電力変更・高齢者向けの給付金・マイナンバーに関した事など)
今も続く被害額は
麻生区では、暫定値ですが3月までに6件起こり被害額は1600万円に上っている。昨年の川崎の被害額は152件約5,8億円・全国では12,762件390,5億円だった。(川崎市HP・警視庁HPによる)
電話機に貼るステッカー
注意を呼びかけるパンフ1
注意を呼びかけるパンフ2
「あら、また騙された。」振り込み詐欺のニュースが流れると心が痛む。この原因の一つは、日本人気質と聴いた時は、なるほどと妙に納得した。しかし、これではいけない。特に電話からの声には十二分に注意しようと肝に命ずる取材だった。