「誰でも簡単にできて楽しいたねダンゴ」とのかわさき市政だより幸区版に、目が止まった。
講師はグリーンアドバイザー 牧野ふみよさん。開口一番「たねダンゴづくりは、とっても簡単ですぐできる。幼稚園児からシニアまで、手軽に楽しめる新しいたね蒔き方法」という。
主催は幸区役所。イベントを運営する「さいわい花クラブ」は、地域の花壇ボランティア団体だ。会員のレベルアップを兼ねた公開講座を毎年開催している。
アンケートでも、参加した理由の第1位は、たねダンゴに興味あり。8割が良かったと好評だ。参加者は、スタッフを含め36名で、約半数はシニアだった。
(注)グリーンアドバイザーは、(公社)日本家庭園芸普及協会が認定した園芸の専門家。 E-Mail:fukkou.jg@gmail.com
◆たねダンゴとは?
苔玉などに使用する“けと土”等で作ったダンゴに、花のたねを付ける。
その長所は
・ダンゴの重みで、傾斜地でも風に飛ばされない。
・過当競争になるため、しっかり根を張る丈夫な苗になる。
・たねが一箇所に集中するので、花束のように咲き、見ごたえがある。
◆たね忘れた!
先生の実演があり、「肥料を忘れても、たねは忘れないで!」と念を押された。
団子の作り方は、以下の5工程。1土をよく練る。 2その土で3センチ大のダンゴを作る。 3ダンゴにくぼみをつけ、肥料と根腐れ防止剤を入れて丸める。 4ダンゴにたねを“ちょん♪”と軽くつける。 5最後に粉末の根腐れ防止剤をまぶして完成。
早速6人で班になり、土を練り始めた。テーブルには、肥料・たね・根腐れ防止剤などの紙皿が並ぶ。私はたねを付け忘れ、周りの参加者も大笑いした。
◆ダンゴだけに、コロコロ広がる活躍の場
被災地の陸前高田市では、蒔いたたねの7割近くが、強風で吹き飛ばされた。東北グループから、泥ダンゴにたねを付ける報告があり、面白そうと他のメンバーに広がったという。
現在、2020年東京オリンピックに向けて、お台場の「おもてなしガーデン」で、たねダンゴ花壇づくりを実践している。
◆質問コーナー
1たねを選ぶコツは?
ジニアなど、しっかりした花を核に、混合すると面白い。今回は、ジニア・サルビア・マリーゴールドなど9種類のたねをミックスした。
2、苗の間引きは?
根が折れるので間引かない。苗同士の過当競争で、弱い苗には陽も差さず、成長が止まる。
3、苗の管理は?
春蒔きは4月がベスト。まだ苗の生育期ではないので、芽が出るまでは室内栽培する。水分蒸発を防ぐため、ラップで覆う。保水性の高い土なので、水やりは控えめに。
けと土に赤玉土を加え、さぁ~練るぞ
白い根腐れ防止剤で化粧して、完成!
2ヶ月前に植えたたねダンゴの苗。元気に育ってます。
記者の感想
土を練っていると、手の平がほんわり温もり、心地良い。認知症への効果もありそうと、すでに某大学で検証中とのこと。結果を期待したい。
最後に、茶菓子でティータイム。花の色と種類にこだわるとの話から、近隣のボランティア同士で情報交換が始まった。花壇ボランティアを身近に感じた一日だった。
吉川眞沙美