キッズアートプロジェクト
聖マリアンナ医科大学病院小児科では、毎月1回アートの専門家等を講師に招き、小児病棟でアート教室を開催している。わが国では、病院は病気を治療する場所であり、厳しい治療に耐えるのは当然のことという考え方が一般的には多いようだ。短期の入院であればそのような治療にも耐えられるかもしれないが、当小児病棟の入院患者の入院期間は数か月から1年以上にも及ぶ場合が多い。そういう中で楽しみというものがないと治療に耐えきれなくなる患者も出てくるという。そこで入院している子供たちに少しでも楽しい時間を持ってもらおうということで3年前にこのプロジェクトは始まった。
医師・看護師・保育士の連携プレー
当プロジェクトは小児科の医師、看護師、保育士によって運営されている。プロジェクト開催当日には、実施場所であるプレールームまでの患者の移動準備から始まる。小児病棟の入院患者は約50名であるが感染予防を厳格に行わないといけない患者やその日の体の状態によっては参加できないことも多い。移動するための点滴の装着など準備に時間を要することも多く、20分以上かけて支度を整えプレールームまでくることも普通だという。講習が始まると保護者とともに医師、看護師、保育士が患者のサポートに回る。それに支えられてこどもたちは講師の説明に合わせ手を進める。この日のテーマは縦20センチ横15センチ程度の木型のキャンバスに漆喰を塗り、それに手や足を押し付けて型をとり、その周りにカラフルなビーズ等を埋め込むというものだ。
これからの目標
毎月の活動により生まれた作品は、ポストカードやカレンダーにしてネット販売し活動資金の一部に当てられている。主な活動の原資は企業や個人からの寄付によっている。このほかアート製作のための材料の提供協力が支えだ。当病院の取り組みに賛同しキッズアートプロジェクトの活動を行っている病院は現在関東に4か所となったが、さらに多くの病院にこの活動を広めていくことを今後の目標としている。
キッズアートプロジェクトへの寄付、支援および参加等ついては次のところで受け付けている。
聖マリアンナ医科大学病院 小児科 キッズアートプロジェクト担当
電話:044-977-8111
ホームページ:http://kidsartproject.jp/
フェイスブック:https://ja-jp.facebook.com/hkidsartproject
手型と足型にビーズなどを乗せ完成
保護者も盛り上がります
できたぁ!病室に飾ろ
長い入院生活においては、こどもたちはテレビや本など以外にはなかなか楽しみの時間を持てないと思う。この日こどもたちは病院の外のさまざまな分野で活躍するアーティストとふれあうことによって、新鮮なひとときを満喫しているようであった。
ちなみに、同プロジェクトに取り組んでおられる病院名を記しておきます。
・筑波大学附属病院
・東京慈恵会医科大学附属病院
・済生会横浜市東部病院
当病院と合わせて4病院となります。