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私のセカンドライフ「陶芸」

取材日 2017年05月28日(日)

伊藤さんの初期の作品
伊藤さんの初期の作品
主宰者 伊藤さん(文字は自筆)
主宰者 伊藤さん(文字は自筆)

陶芸を通してセカンドライフを謳歌している、筆者の知人で千葉市在住の、伊藤 司さんを取材した。

楽土庵

「トトトトシュー」、手回しろくろの音が軽やかに響く。ここは、伊藤さんが主宰する陶芸工房、「楽土庵」の作業場だ。 9月に千葉市美術館で開催する作陶展に出品するため、会員の人たちが思い思い作陶に取り組んでいる。


陶芸との出会い

サラリーマンだった伊藤さんは、40歳の時、近所の人に誘われなんとなく公民館の陶芸教室に入った。3年後、陶芸教室の仲間と資金を出し合い、小さな工房を作った。水も、トイレもない不便な場所だ。

なんとか工房を維持してきた伊藤さんは、定年後、陶芸を基礎から勉強するため、京都の陶芸科がある大学で2年間通信教育を受講した。

その後、知人から古家付きの草が生い茂った土地を購入。会員の仲間と1年かけ、手作りで工房に改修、2012年に現在の「楽土庵」をオープンした。40人の会員が会費を出し、営利を考えず共同で運営しているのが、一般の陶芸教室とは異なる。会員は年金生活者などのシニアが中心だ。


陶芸とは

伊藤さんは、会員の皆さんに、「陶芸を通して、自身を文化的に向上して欲しい。」と願っている。華道、茶道、香道などは作陶に必要だ。毎年、会員全員でクラシック音楽・邦楽・薪能などの鑑賞や旅行に行き、感性を磨いている。

また「陶芸は、指先を使う・考える・仲間と会話するなど、認知症の予防に効果があると思います。」と語る。

 

セカンドライフ(第二の青春)

「自分のやりたいことをやる」これが伊藤さんのモットーだ。

ジムで1,000メートル泳ぐのを日課にしているが、最近は忙しく休みがちになっている。

70歳を過ぎた伊藤さんは、毎日のように、自宅から車で10分ほどの「楽土庵」に通っている。「毎日、することがある、行くところがあるのは幸せです。」と語る。

女性の会員は「会員がまとまって楽しく続けられるのは、伊藤さんの人柄ですね。」と笑って話してくれた。

伊藤さんのセカンドライフは会員40人のセカンドライフにつながっている。

 

工房入り口

工房入り口

手ろくろを回し作陶中の会員

手ろくろを回し作陶中の会員

伊藤さんの作品

伊藤さんの作品

千葉市緑区
松井 洋一
シニアリポーターの感想

「こんなセカンドライフもあります。」だけではなく、セカンドライフそのものを考えるきっかけになればと思い取材した。伊藤さんとの取材を通し、「自分のやりたいことをやる」、これが青春だったと思い出させてくれた。定年後がセカンドライフではなく、そのスタートは一人ひとり異なるものだと感じた。
伊藤さんに手伝ってもらい、はじめて作ったマグカップの出来上がりが待ち遠しい。

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