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地域に愛されつづける大山街道

取材日 2012年02月19日(日)

納木刀の様子を図案化
納木刀の様子を図案化
布製鮎に着色しています
布製鮎に着色しています
川崎市高津区で2月19日に「大山街道フェスタ」が開かれた。毎年2月の行事として9回目を迎えた。メイン会場の高津図書館前の溝口緑地は好天に恵まれ、午前10時半のオープニングセレモニーは人垣ができた。街道沿いの商店会が結成した大山街道活性化推進協議会が主催。大山街道を愛する地元民との手づくりの祭りだ。

二子神社から溝口神社の間に5会場が設けられ、大山街道物産市やフリーマーケット、模擬店があり、湯豆腐、お汁粉などのふるまいもあった。各会場ではパフォーマンスショー、ゲーム、フロンターレによるサッカーイベントなども。また、いにしえに「鮎かつぎ」が往来していたことにちなんで、お母さん達が布で手作りした「特製あゆぐるみ」に子どもたちが思い思いに着色していた。当地の洗足学園音大生は演奏会を、街道沿いに寮があり箱根駅伝でシード権を獲得した国学院大学陸上競技部は各会場の手伝いに参加した。

模擬店をだしている少年補導員でシニア世代の塩野さんは「イベントに参加出店することで自分達の活動をPRしたい」と話した。隣のブースで「たかつ」ブランドの清酒販売をする酒販組合高津支部の稲田さんは「フェスタは知名度もあがり、年々好調だ。初期は溝口緑地と溝口神社の2ヵ所だった」と語った。各会場に行くには廃油で走る巡回バスが無料で利用できる。バスの燃料になる「使用済みてんぷら油」を回収するブースも出ていた。

大山街道は江戸赤坂門を起点とした大山阿夫利神社詣の道として、また東海道・甲州街道の脇往還としても栄えた。明治以降、近年をみても多くの著名人が高津区の街道沿いに足跡を残している。岡本かの子・太郎、国木田独歩、浜田庄司、棟方志功などのかかわりが、街道の道端や公園の石碑、喫茶店に置かれた陶器などから発見できる。これが高津区の大山街道の魅力だ。

「大山街道と周辺マップ」は高津区役所地域振興課と大山街道ふるさと館で入手できる。春には二ヶ領用水のしだれ桜や円筒分水のソメイヨシノが美しい。

 

【参考】江戸時代、多摩川の鮎は江戸城への献上品。地元庶民は厚木あたりから売りに来たものを食した。2010/2/13日付本サイトのリポート「昔なつかし多摩川のくらし」がある。
注目のエコ燃料、廃油で走ります

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創業1765年の薬屋

創業1765年の薬屋

”地域の絆日本の再生”

”地域の絆日本の再生”

石渡一美
シニアリポーターの感想

【リポーターの感想】
 時代の波に呑まれた感があり史跡や旧家が忘れ去られるのが大変惜しいと思っていた。
しかし地元の方々の努力によってずいぶんと知名度が上がったと感じる。大山街道はいつまでも高津区の要であって欲しいと願っている。来年のフェスタへの期待もふくらむ。

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