
- 3Rの知恵が詰まっています

- 修理、修繕、消毒済みの家具
平成2年に川崎市は「ごみ非常事態」を宣言した。市内4施設の処理場では市民の出すゴミが処理の限界状態に達した。こんな社会背景の平成5年「川崎市橘リサイクルコミュニティセンター」が開設された。市民の「ごみ」に対する意識を高め3Rの活動支援を目標に運営され、現在では年間2万人近くの来場者がある。
3Rとはリデュース(減らす)・リユース(再利用)・リサイクル(再資源化)の頭文字をとったものだ。見学の子どもたちにも「しっかりと覚えてもらう」とこの日の案内をお願いした当センター顧問の大石孝雄さんは話す。館内1階には回収された家具の倉庫、それらの修理コーナー、廃油の石鹸作りなどの作業室。2階会議室はリサイクル教室に利用。3階は常設フリーマーケットと家具の展示室。衣類、書籍などは常時販売している。家具は毎月1日から第3日曜日の間40点が展示される。欲しい家具があれば、その番号を所定の用紙に書き入れ抽選箱に入れる。抽選に当れば目的の家具が無料で手に入る。ただし運搬は各自の責任で行う。月替わりには新たな家具が展示される。
リサイクル教室は古布のリフォーム・牛乳パック工作・廃材の木工・裂き織・エコ草履・紙すき・石鹸作りなどその他全12コースがあり、費用も実費程度で受講できる。木工教室で用いる材料は家具を解体したものや廃材。くぎ、ねじに至るまでほとんど買わずに作品を作る。作業コーナーの細かい引きだしには、きっちりと材料が整頓されていた。市内の小学生は毎年10数校が訪れ、「石鹸」と「紙すきはがき」作りを学んで帰るという。
リユース希望の家具は所管の生活環境事業所に連絡をする。事前調査の後、引き取りが決まれば粗大ゴミ処理と同手数料で回収車が来てくれる。衣類は常時持ち込み可であるが、清潔で損傷や汚れのないことが条件だ。
見学を終えると、ここの講座の修了生がそれぞれの工夫で3Rを暮らしに取り入れ、やがて循環型社会へと大きく繋げてゆくのだと気付かされる。
【参考】川崎市橘リサイクルコミュニティセンター:平成18年度より川崎市指定管理者制度(民間の活力を利用する)によりテスコ株式会社が管理運営をしている。
電話044-857-1146 川崎市高津区新作1-20-3 田園都市線「梶ヶ谷」駅から徒歩15分 詳細はHP「川崎市橘リサイクルコミュニティセンター」で検索