シニアリポーターの取材リポート リポーターが取材したイベント情報をご紹介!

理科実験の出前授業 「マジックボックスって?」

取材日 2012年02月22日(水)

光の性質とは?
光の性質とは?
マジックボックス、中に仕切りがあるのにボールが通過した
マジックボックス、中に仕切りがあるのにボールが通過した

 ひととゆめのネットワーク(代表 江口 宏明さん)が進めている、理科実験の出前授業 が、麻生区千代ヶ丘子ども文化センター(谷本館長)で開かれ、副代表の出口博一さん(7 6歳)ほか3名が講師役で、子どもたち6人が参加した。

ひととゆめのネットワークは、今年度、47回の出前授業を、川崎市のわくわくプラザや 横浜市の地区センター、ほか各地の小中学校などで行ってきているとのこと。
  メニューは、今回のマジックボックスのほか、エコの流れに沿ったレモン電池、風力発電、 ミニソーラーカーや手作りカメラ、天体望遠鏡、リニアモーターなど約40項目を用意して いる。会員は、現在17名で、企業の技術屋OBが中心となっている。
 
このような理科実験では、教材の開発と材料を用意するところから始まる。出口さんは、 「自宅に大量の各種実験材料があるが、家族から見るとごみの山に見えるらしい」とこぼし ていた。そして、「会長の江口さんも、必要に迫られ庭に倉庫を作っており、拠点を確保で きればもっと活動しやすくなるのですが」と続けた。
  また、教材費用は、子どもたちから100円程度しかもらえないので、不足を埋める年会費と助成金が頼りだそうだ。
 
さて、授業は、光の学習から始まった。光ってなに? 光の性質とは? 色とは? と子どもに分かるような言葉で説明し考えさせる。
そして「赤いボールは赤い光が反射してくるから、目で赤く見えるのです。」と解説して いた。 続いて、5cm角ほどの透明な板が出てくる。それを2枚重ねて上のほうを回すと、透明 だった板が黒くなってしまった。見ていた子どもたちはびっくり、不思議そうな顔。「この 板はへんこうばんと言って、漢字だと偏光板と書きます」と出口さん。
そして、「光は波と同じ性質があります。偏光板には細かい溝が切ってあって、それを光 が通ると特定の方向の波しか透過しない。2枚を重ね、1枚を回転させると、光を通す状態 から通さない状態まで変わります。」
  大人にも理解が難しい現象だが、カメラの偏光フィルタに応用されていると聞くとなんと なく理解できる。

  次に出てきたのは、長方形の箱、マジックボックスだ。箱の真ん中が黒い板で仕切られて いるが、上からカラーボールを入れると、ボールは仕切りを通り抜けてしまった。箱の中央 には仕切りがあるように見えるが、実際には存在せず、光と偏光板が作り出す不思議な現象 なのだ。

 このような説明を聞いた後、子どもたちは、はさみやのりを使い、小型のマジックボック スの組み立てを行った。講師の皆さんも1年生の作業を楽しそうに手伝っていた。

  出口さんはじめ講師の皆さんは、口々に「子どもたちが、出前授業で不思議だ、なぜ?と 感じ、理科へ興味を持ってくれるなら嬉しい」と語ってくれた。

ひととゆめのネットワーク 問合せ  http://www.geocities.jp/hito_yume_net/

光は波の性質をもっている

光は波の性質をもっている

偏光板を回すと、ドラエモンが見えてきた

偏光板を回すと、ドラエモンが見えてきた

各自オリジナルのマジックボックスつくり

各自オリジナルのマジックボックスつくり

森 正昭
シニアリポーターの感想

 今回のタイトルは「マジックボックス」、さて「箱からハトでも出すのかな」など陳腐に想像した。それが仕切られた箱の壁をボールが通過してしまう、という実験だった。
 実に不思議!こどもも当然、何故なのだろうと考える。ついでにいくつかの実験セットを見せてもらったが、シンプルに作られていて実に面白い。それらのセットには、皆さんの苦労や工夫が詰まっていると感じた。
 こどもたちに新鮮な驚きや興味を持たせる活動は、仕掛け人たち自身が柔らかな心と夢を持っていてこそ出来るのだろう。

訪問者数訪問者数:4015
評価数14 拍手
拍手を送る
このページを印刷する
  • 取材リポート一覧へ戻る