
- 有馬峯道の散策コース

- 2体の石仏
数十年前退職した仲間との散策コースは、宮前区の南端に位置する有馬峯道(有馬の尾根道)をあるきながら歴史の再発見。有馬の呼名の由来は乗馬に縁があるとか。ありま村は漢字で有間・有馬・有間と変化している。峯道(尾根)は、江戸から大山詣に通った大山街道と旧国道246号線と重なる部分がある。歩き始めるとすぐ旧国道246号線に出る。
近辺は都市開発がすさまじい勢いで進み昔の面影はなくなったかに思われる。激しい交通量と騒音が人の話声もかき消す。こんな環境の中でも当時の生活を忍ぶ箇所はまだまだ残っている、と地図と資料を片手に案内役の佐藤さんは熱心に説明する。
旧国道246号線沿いに小さな阿弥陀堂と茅葺の家を見つける。元禄時代に作られた2体の石仏は、病死した子どもの供養と子育ての願いを込めたとある。ここを通る大山街道は起伏の激しい街道としても有名。谷と尾根までの高さを確認しながら峯道を東に進む。
途中には五郎谷・日向坂・日影等の起伏を表現する地名が残っている。緑豊かな小高い公園も多い。梅林公園はその一つ。のり面にイタドリを見つける。新芽の皮をむいて口にすると甘すっぱい味が口の中に広がる。終戦当時、おやつの代りに良く食べたとの声が聞こえる。こんにち料理本にはレシピまである。
峯道の先端は有馬大塚。この古墳は村の境界又は一里塚とあるが詳細は不明。塚の階段を登ると頂上に赤い小さな社がある。
最終到着地点は有馬山長善寺。江戸時代以前の建立で、昔から参拝者が多い。芍薬・ボタン・竹林が大変美しく、珍しい植木供養碑がある。この一画は植木の里を巡る散歩道としても有名。 参考文献 新編武蔵風土記