捕獲猫の行先は
3日後に捕獲依頼者の玄関先を訪ねると、布で覆われた「かご」が数個置かれ、中に8匹の猫が捕獲されているという。
間もなく、ボランティアグループの大型ワゴン車が、その「猫」たちを運搬しにやってきた。行先は動物病院だ。そこで去勢・不妊手術をした後、また地元で解放され「地域猫」として生きていく。
動物愛護者に頼る
この活動をしているのは「かわさき犬・猫愛護ボランティア」の名称で市に登録しているチームである。行政からの依頼に基づき活動することが多い。
手術代や活動経費については、寄付や依頼者からの心付け、行政のわずかな補助金、手術代を安価にしてくれる獣医師の協力などを得ながら行っている。が、チームメンバーの持ち出しで担うことも度々とか。
行政に頼りたいが・・・
地域猫には「V字の耳先カット」があり見分がつく。繁殖を防ぎ、地域で見守られながら(餌を与えることができる)一生を終える。
野良猫対策を行政に依頼しても、ほとんど解決に至らない。殺処分を行わない方向性からだ。無責任な餌やりで近隣とトラブルになっている事も見聞きする。元飼い主の飼育放棄も元凶にある。
猫にとっての幸せとは
猫を室内で飼うことを「虐待」と考える人もいるが、猫の安全や健康のためには、その短い一生を優しく見守り、飼い主と共に過ごすのが最良なのだ。脱走時のために、ワクチンや、去勢・不妊手術(個人でも補助金あり)を受けるようにと、このチームは愛猫家に呼びかけている。
【参考】ペットショップに行く前にhttp://pet-ikumae.com
・自治体や動物愛護団体に集められた犬や猫の飼い主になりましょう。
・「かわさき犬・猫愛護ボランティア 猫部」 代表 古市直子
活動メンバー:38名 活動範囲:川崎市全域
◇捕獲を受ける条件
・行政(各区衛生課)に直接申し込み、状況をヒヤリングしてもらう
※直接、チームに依頼が来ることもある
・手術費用を負担してくれること(補助金制度あり)
ここから病院へ運ばれる。
動物愛護の情報サイト
飼い主を求める譲渡会情報
取材した場所は商店街だったので、地域猫を見守る(餌やり)はメリットもあるという。ネズミやゴキブリが減る。住宅地の友人は隣家2軒が、野良猫に餌やりをすることで、何匹もの猫が自宅庭を往来し、糞尿のにおいに悩まされた。万策尽きて引っ越しをした。取材を通して、ペットの飼い主には高度マナーが必要と、愛猫家は胸に刻んで欲しい。