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ニューカレドニアからの脱出  その2「つながり」

取材日 2024年08月15日(木)

ニューカレドニアの国旗を振りかざし抗議活動を行う独立派

ニューカレドニアの国旗を振りかざし抗議活動を行う独立派

“愛の鳥”とも呼ばれているニューカレドニアの国鳥「カグー」

“愛の鳥”とも呼ばれているニューカレドニアの国鳥「カグー」

領事事務所からの差し入れ(二人分)

領事事務所からの差し入れ(二人分)

海外旅行中あまり日本人を気にしないが、今回は特異な状況に巻き込まれた日本人同士がなんとなく声を掛け合い、大きなつながりができていった。

また客観的な状況や脱出方法を把握するため、航空会社、在ヌメア領事事務所や外務省などとも連絡を取れるようにした。

一方、安全情報をメールで受け取れるほか、緊急時の連絡、安否確認、支援などが受けられる、外務省の「旅レジ」の登録も初めて行った。

 

情報収集

テレビでも暴動に関するニュースを逐次放送していたが、フランス語のため画像だけでは理解できず、スマホの翻訳アプリを使い断片的にではあったがある程度状況を把握できた。NETニュースやSNSの情報も役に立った。

現地在住の日本人やつながりができた日本人同士連絡を取り合い、日常の生の情報交換を行った。どの店が何時にオープンし何が買えるか、混み具合はどうかなど。また領事事務所からの連絡網にもなった。


差し入れ

 食料の確保に苦労していた短期滞在者に、日本領事事務所からカップヌードルや菓子などの差し入れがあった。賞味期限に若干問題があったが皆さん感謝していた。

 

知り合った日本人たち

514日の昼頃にニューカレドニアに到着した家族は、到着が昼間であったためホテルまで車で移動することができた。しかし道路で燃やされている車や旗を振って騒いでいる若者たちに遭遇し、何が起こっているのか分からず不安を感じたという。

彼らは楽しみにしていた離島への旅も断念せざるを得ず、帰国までホテルで過ごすだけとなった。

 

結婚30周年で、新婚旅行と同じホテルに宿泊していた日本人ご夫婦は、ニューカレドニア到着が514日の夜だったため市内までの道路が封鎖され移動できず、空港の床で一晩過ごした。翌日、市内の近くにある国内線専用の空港まで航空機で移動し車でホテルに着いた。しかし小型機のため重量制限があり、身の回りの品以外はすべて空港に残してきた。最低限の着替えや日用品はホテルで購入できたが、旅の予定はすべてキャンセルした。

 

一週間ほど不安で不便な日々が続いたが、次回(最終回)で「ニューカレドニアからの脱出」その3「脱出」を書く

ニューカレドニア
松井 洋一
シニアリポーターの感想

 今回特に感じたことは、AIを利用した同時通訳アプリやソフトの必要性だ。外国語が分からなくても世界中誰とでも会話ができるし、テレビや映画なども楽しむことができる。海外旅行の幅も大きく広がるのではないか。
 外務省は日本人旅行者や出張者など短期滞在者を対象に、情報提供や差し入れなどのサポートを行ってくれた。対象者およそ50人の内、滞在中つながりができたのは十数人だった。
一部の人たちとは帰国後も連絡を取り合い、近く集まる予定だ。

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